手仕事フォーラムblog

手仕事フォーラムのメンバーが、日々発見した事や物をお届けします
縄文と民芸

東京国立博物館で開催中の特別展「縄文 1万年の美の鼓動」・・・副題は、「ニッポンの、美の原点。」

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火焔土器はじめさまざまな時代や地域の土器、土偶が会場を埋め尽くしています。当然です。
岡本太郎が縄文を絶賛したのは知られていて、太陽の塔のモチーフと思われる土偶もあり、小さいのですがなぜかハッとします。
1つ1つゆっくり見たら2、3日はかかるでしょう。興味のあるものだけを大急ぎで見ても2時間たっぷり。

さて、出口近くに「作家たちに愛された岩偶と土偶」という一画があり、
あ、知ってる、この土偶・・・柳宗悦旧蔵の小さな、土偶ではなく岩の偶像、岩偶。
並んで芹沢げ雉貘△療擽と濱田庄司旧蔵の土偶が展示されています。

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左上が柳の岩偶、下が芹沢の遮光器土偶で右が濱田の遮光器土偶。
会場は撮影禁止ですので、下手くそなスケッチで失礼・・・あ、パンフレットに柳の岩偶がありました。

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芹沢は、長男の芹沢長介が考古学者でしたので縄文の土偶などを手にすることができました。
その1つを柳に見せたのでしょう、柳は、この岩偶と日本民藝館の収蔵品全てを交換しても良い、と言った、そう語られています。
が、じっさいにはお召し上げになったのでしょう・・・今は日本民藝館蔵となっています。

岩偶も土偶も私たちが知っている民芸とは違う世界のものですが、民芸の同人たちは、民芸に通底する造形美を縄文に見たのでしょう。
中でも柳は、岩偶に粘土でつくる土偶にはない力強さを見て取り、それまでに集めた民芸の品々を超えた美の根源、とでもいうものを感じたのではないでしょうか。

そうか、展覧会の副題「ニッポンの、美の原点。」は、じつはこれを示していたのかも・・・違うかな?
そして私たちが手仕事の美しさを見つけるための美の標準器は、じつじはこの岩偶・・・違うかな?
それにしても、高さ16cmの岩偶1点=収蔵品1万数千点・・・という等式は、なかなか理解できません。

ところで、今回の展示品の中で特に印象に残ったものの1つが“土瓶”です。
茨城県椎塚貝塚出土、縄文時代後期の「注口土器」。

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黒々とした土の色が赤みを帯びた他の多くの土器や土偶と違い目を引きます。
そしてその形は、高さ20cm強、球形に近い張りのある胴体で、蓋こそないものの持ち手も一体につくられた、注ぎ口もしっかりとしています。
まさに土瓶。
私は初めて見ました。スケッチでは伝わらない・・・実物をみたら何かを感じますよ、たぶん。
縄文、おそるべし。

| 大橋正芳 | いろいろ | 23:24 | - | - |
倉敷フォーラムまであと2ヶ月

先日の豪雨でもたらされた各地の被害は、非常に胸が痛みます。

被災された皆様にお見舞い申し上げます。

 

私たちとつながりの深い作り手の皆さんには幸い無事なようです。

次回の全国フォーラムの開催地である倉敷も、

中心部では大きな被害はなかった模様です。

 

 

SILTAが出来上がり、間も無く会員の皆様に発送される予定です。

今回のSILTAは倉敷フォーラムにちなみ、倉敷特集となりました。

全国フォーラムの申込要項も同封されます。

どうぞお見逃しのないようお願いします。

 

| 久野民樹 | いろいろ | 00:41 | - | - |
自然と人と共に

6月末、連日晴れ渡る九州の旅をしました。
私の旅は常にその土地を実感したく、できるだけ自分の足で歩くようにしています。
移動中の列車や車でも、車窓からの眺めをよく見ます。

(湯けむりが立ち上る別府のまち)


今回私は、別府から入りいくつかの山と川を越え、小鹿田、小石原へ向かいました。
移動中の車窓からも九州は自然が豊かなことがよくわかりました。


海、山、緑、川、緑、山、川、緑の自然豊かな九州でした。

 

小鹿田では、これまでのブログ報告があったように
昨年の九州北部豪雨時の各窯元さんから様子を伺ったお話は
私の想像のつかなかった程の自然の猛威を感じられました。

そして、土地に対する思いと共に人との大切さをより受け止める事ができました。

 

ある窯元奥様との話の中では、
大雨の災害にあって、さてどうしよう、という時に
小鹿田焼を紹介してくれる担い手の皆さんが居るならば
私たちはここで焼き物作ることが大事なんだ、と感じたんですよ。
持って行ってくれる、待っている人がいるんだから、作らないとね。と。

 

きっとその思いになるまで、複雑な思いもあったでしょう。
しかし私には力強い言葉と受け止めました。


それは小石原でも同様でした。

 

昨今の予想がつかない厳しい自然環境の中で、
暮らしから生まれた自然の仕事を
家族と共に切磋琢磨コツコツ進めている姿に改めて逞しさを感じました。

(仕上げ作業中の坂本拓磨さん)

 

(小石原、太田潤さんのガラス工房にて)

 

帰路は、同行しているそれぞれが車窓をキョロキョロして気になる場所を見つけ
久野さんとよくやっていた手仕事調査的な事もしつつ福岡へ向かいました。

土地、風土、人、暮らし、その地の姿を見て聞いて伝えることも大切、と実感した旅となりました。

 

(茅葺き屋根を葺く職人さんと偶然の出会い)


窯元の皆様、貴重なお時間と機会をありがとうございました。

 

今週の大雨で日本各地での被害がありませんように、
そして日々の暮らしの中から生まれた各地の手仕事が

自然災害で奪われませんように、と心から願うばかりです。

| 川崎正子 | 報告 | 23:38 | - | - |
旅先で出会う手仕事
先日小鹿田と小石原へ同行させていただき、
行く先々でその土地で作られている手仕事が使われているのを目にしました。

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何度も目にし、自分でも普段使っている焼き物や硝子なのに、登場する度に、
わ!いいなと心が小躍りして嬉しくなってしまいます。
そして安心します。

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手仕事はいつも気持ちを新鮮にしてくれます。
ものの与える力は自分が思う以上に人に、暮らしに影響していると感じます。
そしてそれは作っている人の力でもあると感じます。
| 門田真記子 | 報告 | 08:49 | - | - |
太田圭・潤 兄弟展

福岡の中心部、天神のアクロス福岡で開催中の

小石原の太田圭さん・潤さん兄弟展に行ってきました。

 

 

太田圭さんご夫妻、潤さんの奥さんも会場で立たれています。

どれも日常で使いたくなる身近な器ばかりです。

圭さんと潤さん、一つの場所に並ぶと

それぞれの良さや違いが垣間見れるのも楽しいものでした。

 

ぜひお気に入りの器を見つけにお立ち寄りください。

「太田圭・潤 兄弟展」

会場:アクロス福岡 匠ギャラリー

会期:7/2(月)〜8(日) 10:00〜18:00

https://www.acros.or.jp/events/9559.html

| 管理人 | お知らせ | 08:47 | - | - |
三斗五升甕の飛び鉋
「浩二さんが飛び鉋を見せてくださるって!」
採土場からもどった私たちに、うれしい声がかかりました。
しかも何と三斗五升甕、小鹿田ならではの大物です。

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「いっていい?」
といつものチャーミングな笑顔でたずね、
「停まらないからね、ひきはじめたら」
と真顔になるやいなや、
「トーン」、「トーン」と規則的に轆轤を蹴る。
「ウィ〜ン」と鉋をあてる音。
三斗五升甕の飛び鉋がはじまりました。
私たちは息をのんで甕に出現する紋様を見つめています。

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飛び鉋を引いている間、浩二さんの吸う息、吐く息はよく見えません。
視線は一定の距離を保ったまま動かず、ひきはじめたときの表情で、飛び鉋が終わりました。

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「どれくらいのことができたら、こんな大物に挑戦できるようになるんですか?」
と聞くと、
「いや、やりはじめたときから挑戦したほうがいい。僕はこういうことに挑戦するのは若ければ若いほどいいと思っているんです。生活が自分の肩にかかってこないうちに挑戦したほうがいい。昼間仕事をして夜に仕事が終わってから自分の時間のなかで挑戦するのではなく、昼間、人目があるときに挑戦する。失敗して人前で恥をかいたとしても、その緊張感のなかで挑戦することが大事だと思う」と。
小鹿田らしい率直な姿と存在感を見せていただきました。
窯元の皆さま、ありがとうございました。
| 後藤薫 | 報告 | 08:47 | - | - |
大日窯のうつわと水無月と夏のうた

先日、福岡空港に向かう飛行機の機内誌で、和菓子「水無月」についてのページがあり、「そう言えば今年はまだ食べてないなぁ」と思いながら読んでいると、「京都のもの」と紹介されています。

日本全国、6月には水無月を食べて厄払いをするものだと思っていた私はびっくり。

インターネットで検索してみると、節分の恵方巻などと同じく、全国に広がりつつあるものの、まだまだ関東では一般的ではなく、水無月が食べたくても食べられない「水無月難民」なる言葉もあるとか。

さて、あらためてご紹介すると、水無月とはういろうの上に小豆やえんどう豆を甘く煮たものを乗せて二層になったお菓子で、氷を模した三角に切られています。

旧暦の6月30日は夏の終わりにあたり、一年の残り半分も息災に過ごせるようにと願いながら食べます。

私の住んでいる大阪では、6月に入ると大抵の和菓子屋さんで見かけることができ、6月30日を過ぎるとぴたっと姿を消します。

そのうちに、と思っているうちに7月に入ってしまって食べ損ねた年のくやしいこと!

下の層がういろうなので、冷蔵庫に入れると固くなってしまい、美味しく食べるには日持ちのしない儚いお菓子です。

今日は、涼しげなこのお菓子に似合う、大日窯の磁器のうつわに盛ってみました。

すべらかな磁器の肌とういろう生地がよく合っています。

毎年、水無月を食べるといよいよ夏が始まるという気がします。

 

「うのはなのにおう垣根に

ほととぎすはやもき鳴きて

しのびねもらす

夏は来ぬ」

 

どうか、今年後半も皆さんが日々を健康に過ごせますように。

| 瀬部和美 | つかう | 21:22 | - | - |
小鹿田訪問・採土場

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小鹿田皿山に到着した私たちを、坂本浩二さんがまず連れて行ってくださったのは、採土場でした。
昨年の豪雨災害の被害状況として崩落が伝えられたところです。
 
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「もっと計画的に掘っていったらよかったのに、掘りやすいところから掘っていったから、壁が垂直になってしまったんよね〜」と、ユーモアを交えて話してくださいましたが、どれほど怖い思いをされたことかと思います。
採土場から掘り出した土もすぐには分配はできず、どこの窯元にも均質な土が分配できるように、混ぜ合わせなければならないそうです。
「この採土場は全部の窯元が使っていっても、計算上80年は使える。しかし、土がなくなる前に次の採土場を用意しとかんといかんし、今後は、どこをどう掘ってきたかということをマップにして記録に残していこうと思うとる」
 
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浩二さんの前向きな話に耳を傾けていると、
・・・ギィ〜、ゴットーン・・・
小鹿田のしっかりとした脈動を確信させるような、
唐臼の音が聞こえてきました。

| 後藤薫 | 報告 | 09:18 | - | - |
唐臼の復旧

去年の九州北部豪雨から1年経とうとしている小鹿田と小石原を訪れました。今回は手仕事フォーラムで約10年と長く活動しているメンバーと一緒に、小鹿田や小石原への特別な思いを持って向かいました。
小鹿田では早速、坂本浩二さんに災害時の様子とその時に川に流れてしまった唐臼の話を伺いながら、新たな設置を着手した唐臼を見せていただきました。

 

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唐臼がある小屋へ下りていく階段もコンクリートの堤防で囲われています。唐臼を覆う小屋は風や雪で崩れないよう見事に木が組まれてあり、屋根は劣化が早まらないよう重ね合わせのない1枚のトタンで片流れ屋根になっていました。

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新しい唐臼の木は切ってからまだ半年しか経っておらず、あと3ヶ月は乾燥させないと水が当たるもう片方とのバランスが取れず、
次の段階に進めないそうです。

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土に当たる杭の部分にはめる鉄の輪っかも劣化の早いところを考慮して工夫されています。

 

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土が置かれるくぼみ(臼となる部分)も手でくぼませることにより、自然と満遍なく混ざり、型で作った臼のように途中でかき混ぜる必要がないのだそうです。

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過去に経験のないことなので、すべて出来上がってやってみないとどうなるかわからないと浩二さんは話されていました。
一連の工事を手がける大工さんと一緒に、先人の知恵を参考に試行錯誤しながら、未来を見て、着実に進めている浩二さんのお姿にとても清々しい気持ちになりました。

| 山崎綾 | 報告 | 08:40 | - | - |
36号、まもなくです
「SILTA」36号の色校が印刷所から届きました。



校了!!
印刷がはじまります。

36号は倉敷特集。
9月の「全国フォーラム in 倉敷」に向けた内容が満載です。
会員の皆様には間もなくお手元に届きます。お楽しみに。
| 大橋正芳 | お知らせ | 13:24 | - | - |
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