手仕事フォーラムblog

手仕事フォーラムのメンバーが、日々発見した事や物をお届けします
もやい工藝での雑談は勉強会

鎌倉もやい工藝のスタッフさんとの雑談は、勉強会みたいになることがあります。

沖縄やちむん展で伺った際に、若いつくり手の窯の仕事について話を聞きました。

窯出しのたびに上手くなっているつくり手がいるとのことで、どこがよくなっているのか?がテーマです。

もやい工藝としては、沖縄らしい形を目指して、細かい注文をしているそうです。

たまたまスタッフさんが何年か前のものを持っていたので、今回のものと比較して、具体的に説明していただきました。

 

 

写真左が前のもので、写真右が今回のものです。

写真ではなかなかわかりませんが、高台の違いはわかるでしょうか。

実際に触ると、様々な違いに気がつきます。

重さ、厚さ、バランスなどなど、見ているだけではわからない情報を、手が感じとります。

そして、スタッフさんが的確に言語化して教えてくれます。

なるほど!

沖縄らしい形がわかります。

その後、ベテランのつくり手のものを触ると、やはり上手いなあと理解できます。

 

ものは、眼と手で選ぶものだと感じました。

スタッフさん、ありがとうございました。

 

| 坂本光司 | 調べる | 09:40 | - | - |
合鹿椀

先日の「昔の物今の物」学習会第1回で

横山さんが持参し、見せてくださった本です。

 

合鹿椀(ごうろくわん)は、能登半島の内陸に位置する旧柳田村(現・能登町)を

中心に作られてきた木椀です。

「合鹿」の名は、村の集落名から来ています。

ズバリ「合鹿椀」という名前がつけられたこの本は、

その旧柳田村によって刊行された本で、

かつて作られていた合鹿椀の写真が多数収録されるとともに、

その歴史、形状の変遷、村人たちへの聞き取り調査から、

漆の成分分析にいたるまで、驚くほど詳しく調査・記録されています。

 

 

横山先生のコレクションを拝見した際、 「飛騨椀」と呼ばれる、

素朴で荒々しくも 堂々とした形の木椀に惹かれました。

その形のベースとなったのが、この合鹿椀であると思われます。

 

この本の中で、合鹿椀の美しさについて語られた文章がありました。

一部を抜粋します。

---

あたかも木喰や円空の作仏をみるように素朴であり、 重厚であり、

かつて「全く巧まずしてなされた芸術品」と感嘆され、 賞賛されたものもある。

時代が古いほどに純真さがあり、稚拙さも見え、用途に適う正直さがわかる。

(中略)

あくまで日用の機能美を追求し、椀形の描くカーブに筆舌に尽くし難い

古典美が汲み取られる。

(中略)

凛として犯し難くたのもしい形姿、一見無雑作に塗りつけて出来た落ち着いた色調は、

まさに健康そのものであり、現代椀の浮薄さをはるかに超絶して足元に寄せつけぬ。

これこそ古代椀として独自の風格を持つものとすべきである。

---

本の内容について、少しずつ紹介していこうかと思います。

(つづく・・・かも?)

 

| 久野民樹 | 調べる | 18:01 | - | - |
房総のカゴ作りは健在

千葉・房総半島のカゴの作り手さんを訪ねました。

南房総で作られる花籠。

地元で盛んな花の栽培をはじめ、広く用いられる背負いカゴです。

今でも変わらず地元の農家さんが求めるとのこと。

 

この作り手さんはまもなく90歳ですが、

そんな歳が信じられないほど若々しい方です。

 

ちょうど仕上げで、カゴの足を組んでいるところでした。

カゴを足で押さえ、足となる竹をぐいぐいっと押し込みます。

相当な力をかけている様子。本当に90歳?

 

この集落ではかつて多くの作り手がいたそうですが、

今ではこの方だけ。もちろん後継者もいません。

この時代、このような仕事が残っていること自体が奇跡と言って良いでしょう。

 

元気に仕事を続けて頂くことを願うことしかできず、

無力さを感じざるを得ません。

 

| 久野民樹 | 調べる | 09:17 | - | - |
奥会津のマタタビ細工作り

先日、雪解けが始まった南東北を巡った折、

奥会津・三島町で毎年催される編み組工芸品展に立ち寄りました。

 

竹細工やつる細工など、実にたくさんの物が出品されており、

その数には大変圧倒されましたが、

その会場の片隅でマタタビ細工職人の目黒政栄さんが

実演をされており、見学することができました。

 

日本各地で自生するというマタタビですが、

マタタビを編み組したものは、この地域以外ではほとんど見ることがありません。

冬は雪深い土地柄、農閑期の仕事として続けられてきたそうです。

昔は大きなザルなども作ったそうですが、今は米研ぎザルなどの小物が中心。

 

柔らかくしなやかで、艶のあるやや黄色味がかったマタタビ細工は、

竹細工とはまた違った魅力があります。

 

作り手も減りつつあるところ、最近テレビなどで採り上げられたせいか、

ますます入手が困難になっているようでした。

| 久野民樹 | 調べる | 01:18 | - | - |
宮島の木工見学(2)

宮島工芸製作所では、久しぶりに作業場の様子を少し見せて頂きました。

 

工房の隅にはたくさんの木材が。

中国地方の木材を中心に仕入れられているそうです。

 

製品毎に型があります。非常にたくさんの数でした。

先ほどの木材を切断したものに、型から線を描きます。

この写真は杓子のもの。木材はクワです。

 

数段階に分けて加工していきます。

このあとヤスリによる仕上げです。何名かの方が作業にあたっていました。

 

杓子やバターナイフなどは日々の食卓に乗るもの。

一つ一つを丁寧に作業されている姿が印象的でした。

 

| 久野民樹 | 調べる | 21:49 | - | - |
宮島の木工見学(1)

先日の広島での展示会を終え、帰路に着く前に宮島に立ち寄りました。

 

 

残念ながら工芸店「signal」さんはお休みだったようで伺えず。

宮島工芸製作所へお邪魔しました。

入り口には大きな杓子が飾られています。

 

藤井佐武郎さんとしばし雑談。

そんな中で、お客さんに見せるためにサンプルとされている、

藤井さんご自身が使い込んだというものを見せてくれました。

 

上がサクラの杓子、下がクワのバターナイフです。

写真ではあまり伝わらないかもしれませんが、どちらも良い雰囲気です。

サクラは使い込むとやや赤く、クワは全体的に黒ずんだ印象になるとのこと。

 

木目はもちろん一つ一つ違う表情を持ちますし、

使い込むことによる変化も白木ならではの楽しみです。

 

| 久野民樹 | 調べる | 01:22 | - | - |
近江木綿・紺喜染織へ

滋賀県湖南市の紺屋、紺喜染織さんを訪ねました。

 

風情のある佇まいの母屋をバックに、

当主の植西恒夫さん、明治時代に染めたという藍染の法被を

着て写ってもらいました。

82歳という年齢を感じさせません。

 

中に入ると、藍甕がずらりと並びます。

藍を育て、染料にして、染めるまでの全ての仕事を夫婦2人でこなします。

体力的にもきつい仕事でしょうが、機械化することはありません。

「一部を機械化すると楽をしてしまう、そうすると全部機械になって戻れなくなる」

機械を入れると設備投資や維持費がかさみ、仕事を維持することが逆に難しくなります。

ご夫婦2人で「出来る範囲でやってきた」という植西さん。

こうして貴重な手仕事が繋がれて来ました。

| 久野民樹 | 調べる | 16:24 | - | - |
氷見のショウケづくり

先日、フォーラム会員の坂本さんと富山・氷見を訪ねた折、

偶然にも地元のショウケづくりを見学できました。

 

道の駅で偶然見かけたのがきっかけです。

高い技術で編まれているのは一眼で分かりましたが、縁は針金で巻かれていました。

道の駅の方と雑談をしていると、近くでつくっているよ、と。

せっかくなので少しだけ見学させていただくことにしました。

 

作り手のおばあさん。90歳だそうです。

耳が遠く、はっきりとしたお話は伺えませんでしたが、

手早い作業からは、熟練であることは明らかでした。

 

作った物は北海道へ送っているそうです。

氷見の箕も、農具として北海道へたくさん送られてきましたが、

それらと一緒に送られているのかもしれません。

 

この近辺ではかつてはよく作られていたそうですが、

残念ながら今ではこのお宅だけとのことでした。

| 久野民樹 | 調べる | 22:15 | - | - |
星耕硝子で吹きガラス体験

10月の終わりに秋田・星耕硝子へ伺いました。

11月5日に行われた岩井沢邸ギャラリーでの「お話の会」で

星耕硝子・伊藤嘉輝さんにお話をしていただくための打ち合わせも兼ねて。

 

「ガラスを吹くってどうしてもイメージがわかないんですよね」と言うと、

「じゃあやってみればいいじゃん!」と伊藤さん。

ということで、早速吹きガラス体験をさせていただきました。

実際にやってみると、当たり前ですが思うようには行きません。

ガラスを吹くにも、どの程度の力で吹けばよいのか?

鋏捌きをどうすれば形が思うようになるのか?

全くわかりません。

 

小さなコップを作りたかったのですが、結果的にはこうなりました。

コップというより、かなりオマケして言ってもカトラリー立てでしょうか。

口を当てる縁を薄くしたり、反らせたりするなどしなければ

いけなかったのでしょうが、全く出来ませんでした。

イメージ通りに作るためにはやはり鍛錬が必要です。


吹きガラスには、自分の手ではなく道具を介し、かつ、ガラスが冷めるまでの

短い時間で形を整えなければならないという制約があります。

この点は焼き物などとは決定的に違うところです。

しかし、このような制約があるからこそ生まれる形があるのだろうと

改めて感じることができた体験でした。

 

伊藤さん、ありがとうございました。

 

 

| 久野民樹 | 調べる | 09:59 | - | - |
戸隠の根曲竹細工

富山市八尾の桂樹舎へ向かう途中、長野市戸隠へ立ち寄りました。

目的は、根曲竹細工のつくり手を訪ねるためです。

根曲竹の採取は雪が降る前の9月から10月にかけておこなわれますが、今年は例年より少なかったそうです。

 

 

とても寒い日でしたが、雪は降っていませんでした。

いつもなら雪が降っているそうです。

 

| 坂本光司 | 調べる | 09:29 | - | - |
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