手仕事フォーラムblog

手仕事フォーラムのメンバーが、日々発見した事や物をお届けします
海のうたと大日窯のお皿

このお菓子は「うちわ菓子」と言い、関西でお盆のお供えものとして食べられているものです。

最中の皮のような、ほのかな甘みのお菓子で、「夏が来たな」と思う大好きな味です。

夏のもののためか、砂糖掛けの模様は朝顔や花火、こちらの左端は蟹の模様です。

蟹と言えば、海。

「われはうみのこ、しらなみの〜」と歌いながら、ふと、「あれ、歌詞の中のとまやってなんだろう」と疑問に思いました。

1番の歌詞です。

『我は海の子白浪の

さわぐいそべの松原に

煙たなびくとまやこそ

我がなつかしき住家なれ』

なんとなく、小さな家が情景に浮かぶのですが、よくわからないので調べてみました。

「苫屋」は「苫で茅葺いた(かやぶいた)家」を指し、さらに「苫」を調べると「菅(すげ)や茅(かや)などを粗く編んだむしろ」とあります。

なるほど、茅葺き屋根の小さなお家のことですね。

唱歌「八十八夜」にも「茜襷に菅の笠」という歌詞があり、「菅」が出てきます。

蓑などでも見られるように、昔は茅や菅を編んだものは、日本人の生活には欠かせないものだったことがよくわかります。

ところが、いまの人は私と同じく言葉からわからない人も多く、上に記載の順番でパソコンで検索してると「我は海の子に出てくる苫屋って何ですか?」という質問を載せた質問サイトが上位に出てくるのです。

知らないながらも疑問と興味を持っている人がたくさんいることがよくわかりました。

現代で雨の日に蓑を着て出歩くことは難しいですが(まず手に入りませんね)、失われつつあるいま、何か別の形で茅や菅の文化を残せないだろうかと考えさせられました。

 

さて、可愛いお菓子には、可愛いお皿です。

この大日窯のお皿は、食べ終わるとうさぎ模様が現れます。

磁器の感触、白と藍の色合い、我が家で一年中活躍する大日窯のうつわですが、やはり夏はより一層涼を運んでくれる気がして、有り難い一枚です。

お盆も終わりましたので、ご先祖様に感謝しつつ、いただきます。

| 瀬部和美 | つかう | 06:00 | - | - |
使って復興、載せて復興「小鹿田焼」柳瀬朝夫さんの7寸深皿

今日ご紹介する小鹿田焼は、柳瀬朝夫さんの深皿です。

柳瀬朝夫さんのお仕事は本当に多才・多彩で、伝統的な飛び鉋も素晴らしいし、指書き・櫛書き・刷毛目・流し掛け・・・どんな技法もご自身のものとしておられる稀有な作り手の方です。

生まれたうつわは、朝夫さんのお人柄を現した、大らかで気取らない素敵なうつわです。

「朝夫さんのものと言えばこれ!」と使っている人によってたくさんの意見が出てくることでしょう。

私も、大きなうつわから小さな箸置きまで、大好きなものがたくさんあります。

このうつわは、指書きの模様が花のようで、可愛らしいところがお気に入りです。

この模様のうつわ、写真のものは7寸ですが、これより大きなものもあれば、子供のお茶碗に使えそうな小さなものもあります。

マトリョーシカのようで面白く、不思議にどの大きさも「この大きさがぴったり」と思う、使いやすいうつわです。

いつか全部の大きさを集めて、並べて写真を撮ってみたい、なんて思っています。

 

手仕事フォーラムでは、「小鹿田支援募金」を引き続き受付しております。

どうぞよろしくお願いいたします。

| 瀬部和美 | つかう | 06:00 | - | - |
使って復興、載せて復興「小鹿田焼」〜坂本浩二さんの尺皿〜

既にお知らせのとおり、今回の九州北部地方の豪雨災害で、小鹿田の集落も大きな被害を受けました。

手仕事フォーラムでは、「小鹿田支援募金」を引き続き受付しております。

農作物の産地などへの支援として「食べて復興」というのがあります。

小鹿田皿山の支援するためには、「使って復興」だと思います。

小鹿田の復興を待ち望んでいる人たちの思いを現わすには、使い続けることが大切です。

また災害の報道で、初めて小鹿田という焼き物の里のことを知った方もおられるのではないでしょうか。

その方たちに小鹿田焼の魅力が届いて、新たなファンになってもらえるように、「使って復興」「載せて復興」として、私たちも様々な情報を発信していきたいと思います。

今日は、帰省中の家族が加わって大人数のため、普段使わない坂本浩二さんの尺皿を出してきました。

化粧土の白さと釉薬の美しさ、曲線模様の美しさ、そして飛び鉋、小鹿田の美しさが集まっている素晴らしいうつわです。

復興を願う思いが届きますように。

| 瀬部和美 | つかう | 21:41 | - | - |
旬の色に合う



ひとめ惚れして奮発した星耕ガラスのお皿に、こちらも奮発したさくらんぼを。
さくらんぼが何倍も美味しそうに見える気がします。

縁の部分は道具を使って手で形を整えられているそうで、この厚みや色がなんともいえず好きでつい見とれてしまいます。

| 松本永子 | つかう | 12:22 | - | - |
名物と手仕事〜東京「くず餅」〜

先日、関東から来られた会社の先輩に、「舟橋屋のくず餅。美味しいから有名だよ。食べる前に少し冷やしてね。」という言葉とともにお土産をいただきました。

「わぁ、私、くず餅大好きです!」と言って受け取り、帰宅して箱ごと冷蔵庫へ。

冷やすこと30分、箱を開けると、「んん?これは何?」・・・

調べてみると、関東で「くず餅」と呼ぶのは、小麦粉の澱粉を発酵させて作るものだそうで、見た目は白く、きな粉や黒蜜をまぶして食べるそうです。

全国的に「くず餅」と呼ばれるのは、葛粉から作られる半透明なもので、関東のくず餅と同じくきな粉や黒蜜をまぶして食べます。

一方、私が「くず餅」と聞いて想像していたのは、水饅頭もしくは葛饅頭と呼ばれる葛で餡を包んだもので、関西の中でもごく一部の地域でこれを「くず餅」と呼ぶようです。

「くず餅」にも地域による違いがあるなんて、驚きでした。

関西の「くず餅」に使われる葛、昨年学習会で訪問させていただいた「大井川葛布」さんで作られているように、その茎からは糸が取れます。

メンバーの指出有子さんのblogもぜひご覧ください。

葛の糸づくり (07/12)葛の糸づくり (07/14) 

葛というのは、日本人の生活に大きな役割を果たしてきた、本当に偉大な植物ですね。

さて、疑問が解けたところで、うつわに入れて「人生初の関東のくず餅」をいただきます。

食べてみると、もちもちしていて、その感触が心地良い感じで、何もかけなくても少し甘みがあってとても美味しいです。

うつわに選んだのは、小谷栄次さんの倉敷ガラスです。

若々しい黄緑色の縁取りがしてあります。

大きからず、小さからず、この季節にはとても活躍するうつわです。

関西のくず餅にも、関東のくず餅にもぴったりと合いますよ。

 

| 瀬部和美 | つかう | 21:06 | - | - |
小鹿田焼・坂本茂木さんの豆皿

小鹿田焼・坂本茂木さんの豆皿です。

福岡・大分豪雨での小鹿田の被害の様子が明らかになってきました。

復興を祈ります。

小鹿田の皆さん、暑い季節でもありますので、どうかお身体もご自愛ください。

| 瀬部和美 | つかう | 21:08 | - | - |
名物と手仕事〜宝塚「人形焼」〜

宝塚歌劇が好きでよく観に行きます。

宝塚と言えば、人形焼。

焼き立てホカホカを劇場で食べるもよし、持って帰って少ししっとりしたところを食べるもよし、よくあるタイプのカステラですが、ホッとする味です。

福進堂さんという和菓子屋さんのものですが、宝塚大劇場でしか人形焼は手に入らないようです。

今回、初めて写真を撮ってみて、形の可愛らしさに改めて気が付きました。

うつわは、沖縄・横田屋窯、知花實さんの小皿です。

素朴な地色に、柔らかい緑の点がとても美しく、可愛いお菓子に良く合います。

「柔らかで繊細で愛らしい」知花さんのうつわと、可愛らしいお人形の形のお菓子が合うのは当然ですね。

観劇の楽しみとともに、名物とうつわを楽しむことも、大切な休日のひとコマです。
 

| 瀬部和美 | つかう | 23:09 | - | - |
梅仕事

7月に入りましたが、大阪ではまだまだ梅雨が明けなさそうです。

梅の雨と書いて梅雨。

私の住んでいる地域は、梅の木が多く、収穫されていない梅の実の熟したよい香りが辺りに漂う季節でもあります。

雨の最中でも、ふうわりと漂う爽やかな甘い香りに、気持ちが明るくなります。

今年は、初めて梅シロップを漬けてみました。

と言っても、洗った梅と氷砂糖、お酢を少々、瓶に詰めただけですが・・・。

梅ジュースが好きなのですが、市販のジュースのあまりの甘さに辟易としており、自分で作ってみました。

今日、1ヶ月が経ち、すっかり氷砂糖も溶けたので、味見をしてみました。

太田潤さんのグラスです。

少し、酸っぱいですが、とても美味しくできました。

梅シロップではなく、梅干しを漬けるなら、土用干しをするざるや、出来上がったあと保存する壺や樽も必要になります。

我が家でも昔は梅干しを漬けていましたが、ここ数年は買うようになってしまいました。

そんな風に「作るための道具」を生産する産業も、作る人が減少することによって、小さくなっていってしまうのでしょう。

「作る人=使う人」が減らないようにしなくては・・・。

今年は、量販店のガラス瓶を使いましたが、来年は手仕事のもので漬けられたらいいなぁと思いました。

| 瀬部和美 | つかう | 21:45 | - | - |
名物と手仕事〜大阪「とん蝶」〜

手仕事フォーラムの久野恵一前代表は、そこでしか食べられない各地の美味しいものが大好きでした。

「食」も地域文化の1つとして捉えていたのでしょう。

各地の美味しいものは名物として訪れる人を楽しませ、また地元の人に愛されています。

自分の地元の名物を食べると、「やっぱりこの味!」と思って、何だか落ち着きます。

味がわかっているだけに、ぴったりと合う手仕事のうつわなどで食べたいと思ったりして、選ぶ時間も楽しい一時です。

そんな名物と手仕事の組み合わせを紹介させていただきます。

今日の組み合わせは、大阪の和菓子屋「絹笠」さんの「とん蝶」と丹波立杭焼・清水俊彦さんのうつわです。

「とん蝶」は、蒸したもち米に大豆、塩昆布、梅干しが入っていて、筍の皮を模したものに包まれています。

お菓子ではなく、甘くはありません。

大阪に住んでいる私は当たり前に食べていて、最近知ったのですが、「とん蝶」は賞味期限が当日の夜までしかないので、大阪近辺でしか購入できず、新大阪駅の密かな名物になっているとか。

そんな儚いところと、お弁当の原型のように感じられるところが、いつも万葉集の有馬皇子の歌を思い出させます。

「家にあれば 笥に盛る飯を 草枕 旅にしあれば 椎の葉に盛る」

有馬皇子は飛鳥時代の皇族で、19歳の若さで後の天智天皇である中大兄皇子から、謀反の疑いをかけられ処刑されます。

この歌は、亡くなった紀州藤白の坂まで連行される旅の途中で詠んだ辞世の句です。

「家ではうつわに盛ってたべる食事も、このような旅の途中では椎の葉に盛るしかない」と、笥(け、うつわのこと)と椎の葉の対比で、皇子の普段の華やかであったであろう暮らしと現在の悲しい境遇の対比を表わした歌です。

若くして亡くなった皇子の無念の思いが感じられて、心を打たれる名句ですが、同時に我々日本人にとって、当時から食事を盛るうつわが大切にされてきたことがわかる歌でもあります。

きちんとしたうつわで食べることこそ、きちんとした暮らし、という感覚があったのでしょう。

さて、幸いにも私は家で食べることができるので、大阪に近いところで作られた、丹波立杭焼・清水俊彦さんのうつわを選びました。

白い釉薬が自然で美しく、もち米一粒一粒を美味しそうに見せてくれます。

食べるものに合わせて手仕事のものを選べる、そんな暮らしがいつまでも続けられるように、使い手として、また作り手の方を支える存在として、活動していきたいと思います。

| 瀬部和美 | つかう | 21:17 | - | - |
初夏の楽しみ
毎年いただくのをこっそり心待ちにしているお気に入りの芍薬。
この芍薬に合わせたくて唐臼祭で選んだ小鹿田焼のピッチャーに。



つぼみや少しづつ咲いていく様子も好きなので、毎日眺めて、



きれいに咲きました!

小鹿田の花瓶との組み合わせも好きで決められず・・・両方楽しむことに。



今年も堪能しました!

*6月4日にいただいた原稿。管理人のミスでアップが遅くなり、失礼いたしました。
| 松本永子 | つかう | 15:57 | - | - |
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