手仕事フォーラムblog

手仕事フォーラムのメンバーが、日々発見した事や物をお届けします
“仏様と神様と”芹沢美術館

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静岡の芹沢げ霹術館が発行を続ける冊子、その第6冊目が出ました。
芹沢げ陲亮集6『仏画・仏像・神像』です。

やや堅苦しい内容に思えますが、
現在開催中の「芹沢げ陲了裕─彭犬謀玄┐気譴討い訖遊舛燭舛里茲Δ法
ほのぼのと素朴な仏像や神像がほとんどです。
表紙の像は、なんと「阿弥陀如来立像」。
高さ31僂量畋い嚢掌融代のもの・・・隠れキリシタン、かな?

図録の前半を占めるのは仏画、梵字、そして曼荼羅。
芹沢作品に大好きな「四季曼荼羅屏風」があり、収集品の、重文級と思える「種字曼荼羅」をは周知ですが、
芹沢は他にも多数の曼荼羅を集めていたことを知りました。
収集は作品のためではないと言っていたという芹沢ですが、
先人の仕事を徹底的に研究した上で自身の表現世界を創造していました。
そしてそのための研究資料は、必ず一級でした。


芹美が収蔵する4,500点もの世界の工芸品を網羅しようと発行が続けられているこの冊子は、
A5版ののコンパクトさと320円という実に優しい図録です。
1冊1冊、楽しみに集めたいですね。

そうだ、きょう5月13日は芹沢の誕生日です。


 

| 大橋正芳 | みる | 08:58 | - | - |
“人形たち”芹沢美術館

静岡の芹沢げ霹術館で開催中の「芹沢げ陲了裕─彭検
“春夏秋冬”の作品に続く収集品の展示室には、
花巻土人形、堤土人形、相良土人形、三春人形・・・と、
芹沢が熱心に集めた内外の人形たちから日本のものが70点、いきいきと並べられています。

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上の写真は、大原美術館『芹沢げ陲僚集』(1978)の1ページ。
政岡棚に並んだ三春人形。芹沢が好んだ展示の1つで、芹沢美術館にそれが受け継がれています。
今展では、この棚に堤人形が並んんでいました。

他にも張り子の人形や御所人形、素朴な人形たちはいずれも今にも動き出しそう。
色の剥落した土人形は、まるで小さな抽象彫刻。
これだけの数を一堂に見る機会は多くはありません。人形好き必見です。

羽子板などもあり、人形を中心いした玩具の展示の中に、
1月のブログ(→“箱”の謎解き)で紹介した文箱が展示されています。
百人一首が入った小さなも箱も。横山コレクションの文箱の謎解き・・・興味津々。

人形たちの展示に添えた美しい染物も見どころです。
三春人形の背景を飾る沖縄のウチクイ3点は、素晴らしい。
筒描きの「猿文幟裂」は名品、同じ猿模様の模様の馬飾りは初めて見ました。
辻ヶ花と思われる裂や、初期の友禅を思わせる裂は決して庶民のものではありませんが、
未熟ともいえる技法の中に、だからこそ現れる力強い構成や大胆なまでの配色のが芹沢の目を引いたのでしょう。

見どころ満載。また見にゆきたい展覧会です。

 

| 大橋正芳 | みる | 09:11 | - | - |
“春夏秋冬” 芹沢美術館

風薫る五月のいっとき、静岡の芹沢げ霹術館を楽しんできました。

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登呂公園の一角にある「石水館」と呼ばれる建物も、清々しい新緑に包まれています。
今年度最初の企画は「芹沢げ陲了裕─廖

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四季を題材にした芹沢作品は数え切れません。
パフレットにも「芹沢げ陲箸い┐弌惱娉峠冬』の四文字が頭に浮かぶほど、」と書いています。
しかし、四季をテーマにした企画は初めてかもしれません。
あまりに正攻法であえて避けていたのか、あるいは正面突破が難しかったのか・・・いや、
じつは満を持しての企画。展覧会を見てそう思いました。

受付横に「布文字春夏秋冬」型紙の行灯。
型紙は、短い直線を連ねたような無骨な切り口をしていますが、
染め上がった作品(D室「布文字春夏秋冬二曲屏風」)を見ると、絵筆で描いたような柔らかな線に化けています。
芹沢の七不思議。


A室は「春」。「苗代川春景」が迎えてくれます。
入って左手の壁面ガラスケースが印象的。
中心に作品はなく、左に浅葱の地色の着物、正面右に寄せて上に赤と緑の補色を使ったのれんが下がり、
床に明るい色彩の帯地、ほぼ中央に風呂敷が置いてあります。
いつもの展示と違ってのれんの下に空間が見えて、なんとなくどこかの部屋の一角のような感じを受けました。


B室は夏。様々な作品の紺色の濃淡が印象的。
鎌倉時代の漁具や貝などをモティーフにした作品や、野菜の模様も。
壁面ガラスケースでは、「朝顔文のれん」と「御滝図のれん」の紅色と紺色が目を引きます。

D室は秋冬。
冬の景色でしょうか、紙漉きを題材にした作品が少なからず展示されていて、芹沢らしいテーマです。
「紙を造る人二曲屏風」は、その表装も含めてすばらしい。

着物や屏風などの大作以外にも年賀状やカレンダーなどもたくさん出ていて、
広範な芹沢の仕事のあっちにもこっちにも春、夏、秋、冬があるんだなー、と改めて感心、
普通の紙皿に即興で描かれた牡丹や鳥・魚がいきいきしている、
うちわがたくさん出ていて楽しい・・・と、見所をあげたらきりがありません。
芹沢を知り尽くした企画者の編集が見事です。

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| 大橋正芳 | みる | 08:48 | - | - |
旅の余韻

作り手を訪ね、製作の現場をみると、そこの器が一層愛しく感じます。

中央の中鉢と、その下の取り鉢が小代焼ふもと窯。

島ラッキョウ、そら豆、白菜漬けは沖縄。

和え物の透明ガラス鉢は星耕硝子、緑の小鉢は太田潤工房。

奥のお櫃は伊賀のカネダイ陶器、飯碗は瀬戸の小春花窯。

 

そして、盛り付けにもちょっとばかり手をかけて、器が美しく見えるよう丁寧に写真を撮ろうと試みたりして。

こちらも小代焼ふもと窯です。

春の食材がよく似合うなあ、と思ってから、いや、やっぱりオールシーズンだわと思い直しました。

春夏秋冬の食材がぐっと引き立つ、使いやすい器です。

| 指出有子 | みる | 19:29 | - | - |
熊本国際民藝館「外村吉之介の世界」展

熊本国際民藝館は、倉敷民藝館の館長で本染手織研究会を主宰した外村吉之介(1898-1993)の尽力により、

1965年に開設されました。

 

2年前(2016年)の熊本地震により建物が損壊し休館、その年9月より1階展示場のみ公開再開。

2017年8月より修復工事のため休館に入り、工事を終えた今年2月10日より再び開館されました。

再開して最初の展示会は「よみがえる熊本国際民藝館 外村吉之介の世界」。(〜5/31まで)

 

圧巻!沖縄 竹富島の踊り幕

地元の小代焼も、さすがに素晴らしい品々が多数。簡素で力強い魅力にじっと見入ってしまいます。

 

外村吉之介と言えば、小谷真三さんとと共に倉敷ガラスを生み出したストーリーはあまりにも有名。

その頃のものと思われるガラスたちも静かに佇んでいます。

南日本の物が多く集められた展示内容が非常に素晴らしく、とにかく見応えがあります。

いつしか時間が経ってしまいますが、館内の所々に松本民芸家具の休憩コーナーがあり、

ノッティングの優しい座り心地にお尻を委ねながら、その心遣いに感じ入るのでした。

 

ひょうきんな愛らしさのシーサーに見送られて、惜しみながら退出。

 

今年の手仕事フォーラムの全国フォーラムは、倉敷で9月に開催します。

外村吉之介についても当然話題に上がります。

ぜひ熊本国際民藝館へもお出かけになり、その「眼」から学びましょう。

 

館内撮影可のため大変多く撮影させていただいたのですが、とても紹介しきれません。

詳細は熊本国際民藝館HPをご覧ください。

https://www.kumamotomingeikan.com

 

先だって3回にわたりご紹介しました「小代焼ふもと窯」も、ここから車で約1時間。

民藝館の現館長である井上泰秋氏の窯で、工房と新旧の小代焼良品を集めたギャラリーが見学できます。

熊本、民藝が好きな方に強くお薦めいたします!

| 指出有子 | みる | 20:17 | - | - |
小代焼ふもと窯 訪問 その3

伺った際は、ちょうど窯詰めの最中でした。

人手が足りないため、以前窯で働いていた方に来てもらい窯詰めを任せているそうです。

窯焚きはこのところ年に10回ほどとのこと、個人窯しかも登り窯なのに多いと感じました。

小走りでキビキビと作業する若い職人さん。

並べた上に、慎重に丁寧に棚を積み上げていくベテランの職人さん。

詰め終わった袋は入り口をレンガと土で塞ぐ。

小代焼は1300度位と高温で焼くため、薪には温度が上がる松を主に使うそうです。

廃材から松を選び、不足すれば購入したり、杉や檜、それもなければ竹も加えるが、それ以外の木は使わない。

 

販売されている陶土を買えばラクで安いと思いながら、買った土は調整ができないからと

地元で掘った土を1−2年寝かせ、水簸して自分達が使いやすい陶土にし、成型し、

また自ら作った釉薬をかけ、最後は燃え盛る火に任せる。

ここまで土地のもので賄っている作り手は、実は少ないのです。

小代焼ふもと窯の、骨太で迫力あるやきものが、ここから生まれます。

| 指出有子 | みる | 12:32 | - | - |
小代焼ふもと窯 訪問 その2

工房内では、井上尚之さんと2人の職人さんが、釉薬かけの作業中でした。

年齢の近い3人は和やかな雰囲気で手を動かしつつ、問いかけにも応対してくださいました。

上の写真は、素焼きした器に柄を施したものに、焼きあがるとほぼ透明になる上釉をかけているところ。

 

こちらの写真は真っ黒な釉薬ですが、焼きあがると白くなるのだそうです。

小代焼の白色は、こんなにも真っ黒な釉薬が変化したものなのですね。

この真っ黒な釉薬は、工房裏にある唐臼で藁灰をひいたものです。

やや小ぶりの唐臼が、ギー・・・・ドン!ギーー・・・・ドン!とマイペースにのんびり稼働していました。

ふもと窯の唐臼は藁灰専用で、陶土は唐臼にかけることはしないそうです。

掘り出した土は1〜2年野晒しにしてアクが抜けるのを待ち、水簸(すいひ)を経て陶土とします。

(続く)

| 指出有子 | みる | 11:28 | - | - |
小代焼ふもと窯 訪問 その1

小代焼ふもと窯にお邪魔しました。

熊本県北西部に位置し有明海にほど近い小岱山(しょうだいさん)のふもとにあるため「小代」であり、「府本」という地名から「ふもと窯」なのだなあ、と思いながらカーナビをセットし、熊本市中心部から約1時間のドライブ。

荒尾市府本付近は広々とした風景が広がる、こんな感じののどかな土地です。

 

曲がりくねった道から細い道に入り少し行くと、どーんと構える立派な佇まいのふもと窯に到着しました。

こちらがギャラリー兼販売所です。(1階が販売所で2階が古作の蒐集品を含む展示場なのですが、販売所の多くの品々と工房の見学で充実してしまい、うっかり展示場を見学せずに帰って来てしまいました。まぁ時間もなかったのですが、なんたる迂闊)

 

そしてこちらが↓工房です。ご覧の通りこちらも大変立派な建物で、内部の造りも確かな質実剛健そのもの。

それもそのはずです。西日本の民藝活動の拠点にと熊本に国際民藝館を作ろうとしていた外村吉之介氏と出会った当主の井上泰秋さんが、深く民藝運動に共鳴し、ご自身の窯を移転して建てたのですから。

最初に入ったギャラリーで奥様と思しき方にどちらからと尋ねられ、手仕事フォーラムのメンバーで東京から来た、と言うと工房に案内してくださいました。(ちなみに工房は見学可能、オープンです)
中にお邪魔すると、井上尚之さんが上釉をかけている最中でした。
ちょうど窯詰めの最中ということで、お忙しそうです。(続く)
| 指出有子 | みる | 09:07 | - | - |
手に触れる事の重要性

二次元で見て得られる情報も多々ありますが

手に取り触れて得られる情報は

それの幾倍ある事でしょうか

 

 

今回触れて強く感じたのは椀の重心の位置

高台の刳が浅いのは知っていたのですが

幾つも実際に持ってみると

高台の浅さの為

重心が下部にあり

持った時に安心感を強く感じます

 

 

何故今の物は刳が浅くなっていったのか

昔の物と今の物を見る事で

考えるヒントを貰えるように思います

 

| 高梨武晃 | みる | 11:01 | - | - |
手にとって学ぶ「昔の物 今の物」

3月25日に尾山台「手しごと」で開かれた学習会「昔の物 今の物」に参加させていただきました。


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奥州南部の秀衡(ひでひら)椀、浄法寺(じょうぼうじ)塗、紀州の根来塗、能登の輪島塗……。

たくさんの「昔の物」を別邸から運んできてくださった横山正夫さんは、「ぜひ、美しい形を見てください」と何度となく促されました。

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能登の合鹿(ごうろく)椀を思わせる、大ぶりのお椀。だいぶたくさん入りそうです。

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こちらは、飛驒高山でつくられたもの。ろくろの跡が残っています。久野民樹さんが今の職人さんに見せたら、「こんなに粗雑なもの(はできない)」と言われたとか。横山さんからは、このような大ぶりのお椀の復刻をしてはどうか、という提案もありました。

 

私も、漆は丁寧に扱わねばならないもの、という印象を持っていました。正直なところ、これだけ不便なことが敬遠される現代に、「漆器をもう一度」という投げかけは難しいのではないかとも思いました。

 

ところが、久野さんの報告にもあったように、きちんとつくられたものなら、洗剤も食洗機も大丈夫だというではありませんか! 私もさすがに食洗機にはかけませんが、恐る恐るスポンジと洗剤で洗ってきました(でも、そういえばまったく傷んでいません)。つくり手さんはそうおっしゃらないかもしれないけど、横山さんのこの一言で、漆器を使う(薦める)ハードルが相当下がったと思います。

 

また、当初は「この大きさは食卓でバランスがどうだろう」と感じていました。が、持って感触を確かめているうちに、不思議とこの大きさこそがよいような気がしてきました。具だくさんの汁物や、少しのうどん(そば、にゅうめん)、小さな丼ものなど、使いでがありそうです。

 

少し時間が経ってしまいましたが、横山さん、どうもありがとうございました。次回は「やちむん」の予定とのこと。今からとても楽しみです。

| 大部優美 | みる | 22:47 | - | - |
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