手仕事フォーラムblog

手仕事フォーラムのメンバーが、日々発見した事や物をお届けします
鹿児島の可否館

鹿児島には珈琲の名店「可否館」があります。

(盛岡・光原社の中にも同じ名前のカフェがありますが、関係はありません)

 

マスター自ら選んだ豆を自家焙煎し、

ネルドリップで珈琲を供する専門店です。

民芸好きのマスターが自らの眼で選んだ品も

古いもの今のものを問わず店内に置いていて、

物によっては購入することもできます。

 

器をはじめ椅子、棚など、あらゆるところに

民芸を愛するマスターのこだわりが感じられます。

 

カウンターの椅子は全て松本民芸家具のウィンザーチェア。

もちろん椅子敷はノッティング。

40年以上使っているこのノッティングは、

相当使い込まれて薄くなってしまっていますが、

全く違和感がなく、むしろ椅子と一体感があるように感じます。

 

店内はジャズが流れ、美味しいコーヒーとともに

落ち着いたひと時を過ごすことができます。

並べられている民芸の品々を眺めるのも良いでしょう。

鹿児島を訪れる折にはぜひ訪ねてみて下さい。

 

10/20からは、尾山台・手しごと(http://oyamadai-teshigoto.com/)にて、

「珈琲のうつわ」展がはじまります。

期間中は手仕事の器で、可否館の珈琲をお試しいただけます。

ブレンドの豆もご用意していますので、是非いらして下さい。

(「可否館」ロゴはオリジナルの柚木沙弥郎さんデザインのものです)

| 久野民樹 | いろいろ | 12:43 | - | - |
民藝のある町

9月にあった倉敷での公開フォーラムで、本染手織研究所の石上梨影子さんが、美観地区の町並みを守った外村吉之介の功績を紹介してくださいました。「古いものを壊して新しくすることがはやりだった」戦後まもなく、賛同者も少ない中で町並みを残そうと尽くしたのは、牧師としてヨーロッパを巡った経験が大きい、というお話でした。

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そんなことを知って町を歩くと、景色がまた違って見えます。当時の植栽も大事な景観の一部です。

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そして、町のそこここにある民藝の逸品。つくり手の存在もさることながら、プロデュースした人の力を改めて感じます。

 

プロデューサーといえば、外村と同じ年の生まれで、鳥取で民芸運動を実践したのが吉田璋也でした。訳あって、ここ数カ月、この人の研究をしています。近々、成果をご紹介できると思います(最後は宣伝になりました)。

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| 大部優美 | いろいろ | 23:14 | - | - |
倉敷ガラス聖堂
全国フォーラムの学習会で、倉敷ガラスの小谷真三さんの工房を訪ねました。
真三さんはお元気で、おしゃれなお話をしてくださいました。

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モールガラスをつくる道具の説明です、が、空き缶を改造したという「秘話」が愉快です。

工房の中は薄暗く、ガラスの作品を通して差し込む光がまるでステンドグラスです。
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注連縄はありますが、教会のような雰囲気です。

そういえば、母屋の床の間に外村吉之助の書が掲げてありました。
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「知識ハ人を誇らせ 愛ハ徳を樹てる」

昨日のブログで瀬部さんが、外村が牧師であったことを書いています。
この言葉は、「知識は人を誇らせ、愛は人の徳を高める」という新約聖書の中の一節からきているようです。
(同じ色紙が倉敷民藝館にもあったような・・・気がしま)
外村に導かれてガラスの道を進んだともいえる真三さんの、きっと座右の銘なのでしょう。

工房の外観を改めて見てみると、どこか教会のようでもあります。
真三さんがクリスチャンかどうか、知りませんので、ここでは「聖堂」ということに。

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この聖堂は「whisky聖堂」ではありません。
一見入口のような建物?は、かつてここに住んでいた “whisky” という名の犬の小屋です。
おしゃれな真三さんです。
| 大橋正芳 | いろいろ | 20:17 | - | - |
素敵な住まい
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愛媛民藝館の建つお堀の中にある栄光協会と牧師館、栄光幼稚園は、
倉敷の建築家浦辺鎮太郎が若かりし頃に手掛けた建物群です。
現在修復中ですが、牧師さんのご好意で中を案内していただきました。
(建物について詳しくは、西条市在住の藤岡葵さんがブログで紹介してくれていますので、
そちらをご覧ください。2018.8.8のブログ)

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牧師館 外観

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牧師館は外村吉之介の案も取り入れてあるそうで民藝らしい造りですが、
柱が細くて全体的に軽やかな雰囲気です。簡素な美しさを感じました。
   
牧師さんのプライベートな空間と共用スペースを分けて設計されたため、
階段が二カ所あったり部屋と部屋に段差があったりなんだか楽しくなるような間取り。
階段の手すりが鉄製で格好良いです。

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窓からは石鎚連峰が見えます。

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ここにテーブルと椅子を置いて、
備え付けのベンチにはノッティングを並べて敷いて太田潤さんのガラスのシェードを取り付けて、、と、
人の家で勝手な妄想が尽きません。
修復後は再び牧師さんがお住まいになるそうです。こんな家に住みたい!

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協会の床は大原美術館別館の工芸館同様木のタイル。

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栄光協会

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栄光幼稚園の瓦屋根 

牧師さんに声をかけて一緒に案内してくれた藤岡さん、ありがとうございます。
| 門田真記子 | いろいろ | 08:32 | - | - |
健康で無駄がなく真面目で威張らない

先日の大部さんの報告にもある通り、

今回の全国フォーラムでは、倉敷ガラスの小谷真三さんが

工房見学や公開フォーラムのトークイベント、さらには懇親会でも

年を感じさせない元気さを見せてくださったのが、とても嬉しいことでした。

 

須波亨商店・須浪隆貴さんの工房には小谷さん直筆の色紙が。

 

自身の工房前で、「健康で無駄がなく真面目で威張らない」を語る小谷さん。

もともとこの日は不在と聞いていたのですが、

工房見学が一通り終わったころにタイミングよく帰宅され、

短い時間でしたが、お話をしてくださいました。

いつもの柔らかい語り口調で、冗談を交えつつ発せられる言葉には、

小谷さんのガラスと同様に、惹きつけられるものがありました。

 

改めてこの言葉を噛みしめる機会でした。

| 久野民樹 | いろいろ | 04:49 | - | - |
つくる手
倉敷で伺ったつくり手の工房で、それぞれの仕事を見せていただきました。
私たちに話しながらの仕事ですので、普段とは違っていると思いますが、
しかし、つくり手の手と体は淀みなく動き、それが美しい。

倉敷ガラスの小谷栄次さん
1300度という窯の前での素早い仕事ぶり、それは神業です。
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倉敷段通の瀧山雄一さん
糸づくりから仕上げまで全て1人でこなす超人的つくり手の表情に、身が引き締まります。
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観衆に囲まれながらも、2人のプロの表情には、一瞬、厳しさが垣間見えて、ハッとします。

倉敷本染手織研究所の研究生
入所5ヶ月目、私たちに囲まれて緊張気味ですが、ノッティングを織る手は確かです。
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倉敷いかごの須浪隆貴さん
若いつくり手の表情は真剣そのものです。
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ものを生み出す仕事場には厳しいものがありますが、
美しいものを生み出す手はいつも美しく働いています。
| 大橋正芳 | いろいろ | 11:42 | - | - |
手仕事フォーラムメンバーの読書日記、原田マハさん著「楽園のカンヴァス」

倉敷フォーラムの報告が続いていますが、閑話休題。

今回紹介させていただくのは、原田マハさんの「楽園のカンヴァス」です。

倉敷フォーラムに参加する少し前、通勤で読む文庫本に何を読もうか考えていた時、「そういえばもうすぐ倉敷に行くから倉敷が出てくる小説を読み返そう」と思って、本棚から引っ張り出してきたのがこの「楽園のカンヴァス」でした。

原田マハさんと言えば、このずっと後にバーナード・リーチが主役の一人である小説「リーチ先生」を書かれます。

2016.11.26blog⇒坂本茂木さんモデル、原田マハさん著「リーチ先生」 

私が「楽園のカンヴァス」を読んだのは出版された2012年で、周囲の本好きの人たちの間で流行したのを覚えています。

当時は民藝に関係する小説を書かれるとは思っていませんでしたが、10代の大半を岡山で過ごされた原田さんは、日本でも有数の民藝の息づく街である倉敷で、いろいろなものを見て、興味を持ってこられたのだろうと、倉敷を訪れた直後のいま、あらためて想像しました。

「楽園のカンヴァス」には、直接民藝のことは出てきませんが、美しいものについての表現の仕方、ただの解説にとどまらず、その美しいものについて読む人が感情移入してしまうような心を掴む文章は、この頃から魅力を放っています。

また出番は少ないものの、倉敷の街と大原美術館が印象的に描かれています。

私も、倉敷の街の、景色や空気や匂い、そして今回は雨の音・・・に囲まれながらの再読は至福を感じました。

未読の方には「リーチ先生」につながる小説として、また倉敷の街と美しいものがお好きな皆さんにもお奨めしたい小説です。

 

冒頭に出てくるピカソの絵のポストカードを大原美術館で購入しました。

| 瀬部和美 | いろいろ | 21:54 | - | - |
大原孫三郎・聡一郎の足跡
倉敷フォーラムの報告が続いていますが、ちょいと道草を・・・

町並みをはじめ、倉敷の文化の形成、保存に尽力した大原孫三郎、聡一郎の住宅が公開されています。
国指定重要文化財の旧大原家住宅が、4/1から「語らい座 大原本邸」として公開されました。

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左に並ぶ建物が倉群で、倉の一部は、中が改装されて展示室になっています。
右が主屋で、一部公開。倉のいくつかを除いて江戸時代後期の建物だそうです。
この路地を忙しく行き来しただろう使用人たちの姿が目に浮かびます。

倉の隅にカマドがあります。外ですので、まさか五右衛門風呂ではありません。
なんかと使うことのある湯を沸かすためのものでしょう、
床に水はけのための瓦が敷き詰めてあり、無造作ながらきれいです。
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倉の展示室の中でも、大原聡一郎の蔵書を展示した一室は壮観でした。
孫三郎以来の膨大な蔵書から展示用に選ばれたものですが、
倉敷本染手織研究所で読み継がれている『工藝文化』や外村吉之介編纂の『葛布帖』などの民芸関係はもちろん、
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紡績、繊維関係や、
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経済学、
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直接話を聞くこともあったという徳富猪一郎(蘇峰)の著作も。
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会社経営とともに文化、社会に貢献した大原父子。
ウインザーチェアーに座って読書する時間が、どれほどあったのでしょう。
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展示を見終わって外に出ると、おや、海鼠壁が美しい見覚えのある風景・・・
小道の右は大原別邸「有隣荘」、左が、今見てきた旧大原家住宅。
川に面した立派な玄関から入ったのですが、出口はというと、左に見える倉の板戸から。
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大原家出入りの商人(あきんど)になった気分で、2173.97平米の屋敷を後にしました。
 
| 管理人 | いろいろ | 18:38 | - | - |
倉敷の風に揺れる白い布

9/7.8.9に開かれた「全国フォーラム in 倉敷」の舞台倉敷の町。
その美しい町並みが、駅に近い鶴形山から一望できます。

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上の写真の黄色味の瓦屋根が大原別邸有隣荘で、その奥が大原美術館です。
倉敷民藝館や今回大変お世話になった倉敷本染手織研究所が、写真中央あたりに重なる甍の中にあると思われます。

鶴形山の頂に阿智神社があります。
駅正面の元町通りをそれてえびす通りを歩き、行列のできるトンカツ屋の前を過ぎて、
アーケードが終わって視野が少し開けた先に、神社へ続く道があります。
いきなり急な石段です。
途中に磐座があり、天の岩戸を開く提案をした?という神様が祀られていて、神々しい雰囲気が漂います。

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石段を登り先へ進むと本殿です。

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1700年の歴史があるという古い神社で、海上交通の守護神、宗像三女神を祀るそうです。
その右手に能舞台があり、舞台の左右に下げられた布が目にとまりました。

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神社の方に伺うと、布は戸板のない舞台の埃除けで、いつのものかわわからないそうですが、古くから使われているとか。
おそらく麻の織物でしょう。神聖な場所にふさわしい白布が風に揺れて、厳かです。

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舞台を覆う白い布は初めて見る景色ですが、布は埃除けの実用とともに荘厳を演出する役割も持っています。
布の、不思議な力です。
この神社をつくったといわれる阿智使主(あちのおみ)の一族は、漢人系渡来人の東漢氏(やまとのあやうじ)の祖だそうです。
漢氏系の一族は、織物の技術に長けたとか・・・
能舞台の白布と直接的なつながりはないと思いますが、妙に納得、です。

参拝を終えて、駅からの道とは違う本殿正面の急な石段182段を降りると、そこは観光客が行き交う町並み・・・

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美観地区はかつては海でした。なるほど、海に浮かぶ鶴形山は海路の目印だったのです。
そのてっぺんに、海路の守護神が祀られていたのです。

歴史の重なる倉敷・・・「全国フォーラム in 倉敷」はたくさんの成果を残して終了しました。
お手伝いいただいた倉敷の皆様に感謝いたします。

| 大橋正芳 | いろいろ | 00:57 | - | - |
倉敷で、

「全国フォーラム in 倉敷」が終わりました。

ご参加くださった会員の皆様、地元な方々、ありがとうございます。
ご支援、お手伝いくださった皆様に感謝申し上げます。

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写真は倉敷ガラスの工房で・・・小谷真三さんと九州の面々、何を談笑しているのでしょう。
こうした風景を普通に見られるのが、手仕事フォーラムの魅力の一つです。

これから順次報告がアップされます。お楽しみに。

| 大橋正芳 | いろいろ | 23:49 | - | - |
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