手仕事フォーラムblog

手仕事フォーラムのメンバーが、日々発見した事や物をお届けします
9割バッターに俺はなる

先日の倉敷フォーラムで、倉敷段通の瀧山雄一さんを訪ねたことはすでに久野民樹さんが書いてくださいました。瀧山さんの一本気な仕事ぶりは語られつくしているような気もしますが、2週間経ってなお冷めぬ感動を記録しておこうと思います。

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イグサに紙テープを巻き付ける工程(左)、表地の「リング糸」をつくる工程(中、右)を説明してくださる瀧山さん。めざす仕事をするために、一つひとつの機械を自ら設計し、部品を調達し、改善を重ねてきました。ここまでは過去にもうかがったことでした。今回驚いたのは、糸づくり。機械にセットする前の糸を、自分の手を使って巻いています。しかも、2度、巻き直します。

 

機械に任せて巻いても、わざわざ巻き直さなくても、それなりのものができるんだろうと思います。が、それは納得いく仕上がりではない。この手間に、瀧山さんの仕事の真髄を見た気がしました。

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仕事を始めた当初は、機械を改良しては織り、品物がたまったらまた改良する、という繰り返しでした。よこ糸を機に届ける仕掛けもまた独創的で興味深いのですが、はじめは3回に1回くらいしかうまく届かなかったそうです。それでは効率的に仕事ができません。思案の末、ようやく失敗のない仕組みができあがりました。「9割バッターに」という言葉は、こんなエピソードを語る中で出たものです。妥協せず、打席に立ったら必ず結果を出す。そういう気構えを私も持っていたいと思いました。

| 大部優美 | 報告 | 08:41 | - | - |
小谷眞三さんの言葉

今回の倉敷フォーラムでとてもうれしかったのは、まだまだお元気な米寿の小谷眞三さんにお目にかかれたこと、それだけでなく、公開フォーラムや懇親会にも参加していただけたことでした。

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公開フォーラムでは、染織、ガラス、段通それぞれのお仕事の歩み、外村吉之介さんはじめ民藝の先達とのかかわりなどが語られました。

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司会の大橋正芳さんから倉敷ガラスの第一人者への締めくくりの問いは、「若い人たちへのメッセージ」。

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眞三さんの言葉が印象的でした。「手仕事は、人間の心をつくるもの。だから手仕事をやる人は、人様の心をつくるつもりで、丁寧に、真心込めて、日常使えるものをつくらないといけない」「使いやすいものをつくると、ひとりでに形もよくなるそうですわ」

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「健康で、無駄がなく、まじめで、いばらない」というガラスづくりは、そのままご本人の生きざまでもあると、深く心を動かされたのでした。

遅ればせながら、倉敷フォーラム開催にご協力くださったみなさま、ありがとうございました。

| 大部優美 | 報告 | 22:49 | - | - |
日曜の鎌倉で、
9月になりました。
カレンダーの模様は倉敷段通です。

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鎌倉で、手仕事フォーラムの運営会議がありました。
今日の会議の主なテーマは、今週末に迫った「全国フォーラム in 倉敷」について。
参加者は70名。他に会員以外の方の参加もあります。
倉敷緞通の瀧山さんの工房などを巡る学習会や公開フォーラムの手順、内容を確認。
倉敷フォーラムを報告する『SILTA』38号の内容や執筆者の検討など、盛りだくさんでした。

運営会議は自主的に参加くださっている有志によって進められています。ほんとうにありがたく、感謝しています

突然の豪雨でしたが、午後には雲間から日差しが漏れる鎌倉。
夏休みが終わったのかまだなのか地域によってさまざまという半端な日曜のせいか、あるいは雨のせいか、
鎌倉の駅前もいつもよりも人出は少なく静かです。
西口からまっすぐに歩いて市役所を過ぎて隧道を抜けて税務署を過ぎたすぐ右手のカフェ「cococara」が会場です。
優しいお店のご夫妻が、私たちのために席を用意してくださっています。とてもありがたいのです。
そして、私の住む街の堀口珈琲店から仕入れたコーヒーが美味しいのです。皆様もどうぞご参加ください。


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​もやい工藝に表敬訪問。雨に濡れた緑がしっとりと美しいお店の奥に、沖縄のやちむんがたくさん並んでいます。
ついつい手が出てしまいます・・・皆様もどうぞお出かけください。



 
| 大橋正芳 | 報告 | 21:43 | - | - |
福島駅前から郊外へ移転したSWITCHを訪ねました

今年の夏は福島でも37度を超える日が数日続いたそうですが、

この日は暑いながらも風もあり日陰に入れば心地よく感じられました。

福島駅前から郊外へ移転したSWITCHを訪ねました。

 

遠くに山並みを望む開放的な環境で、四季の移り変わりが楽しめそうです。

 

店主の渡辺さんは自ら手仕事調査をするなど、常に研鑽を積んでいる方で、

私もいつも勉強させていただいています。

例えば、

■手仕事調査:小高箕

http://teshigoto.jp/handwork_research/touhoku/20160624.html

 

久野恵一さんの会も数度開催され、着実に歩みを重ねてきたと言えるでしょう。

新たな環境でのさらなる発展が期待されるところです。

 

 

新店舗は福島市荒井にある旧農家の納屋を改装した<納屋カフェ椿>の二階です。

カフェのオーナーも手仕事フォーラムの会員だそうです。

夏季限定 黒米パスタの冷やしつけめん。

かなり美味しかったです。

 

心地よい店内にはセレクトされた商品も取り揃えられていて、

ゆっくり過ごしたい空間作りがなされています。

どこかで見たことのあるピクルスもありました(美味しいですよ)。

 

 

 

さて、納屋というだけあて二階は太い梁がインパクトあります。

頭をぶつけそうですが、屋根裏部屋の様な雰囲気がいいですね。

 

大量に焼かれる物の中から選品された沖縄のヤチムンや小鹿田焼に目が行きますが、

二度三度と訪れるお客さんは、他の産地の焼き物にも関心が向き、

手仕事の豊かな広がりを感じ取っているようです。

最近、なにかと民芸が紹介される機会が増えていますが、

しっかりとした物を選んでいきたいものです。

 

 

さて、

SWITCHの近くには私も行ったことがありますが、見応え十分な福島民家園があります。

春には花見山の桜が圧倒的に美しいのだそうです。

次回は花見山を見物しながらの訪問になりそうです。

| 中村裕史 | 報告 | 18:50 | - | - |
学習会「昔の物今の物」第3回を開催しました

8/4(土)、鎌倉・もやい工藝にて、学習会「昔の物今の物」第3回を開催しました。

 

 

今回のテーマは「伊万里焼(有田焼)」です。

横山さんの案内のもと、日本における磁器生産の最初期にあたる「初期伊万里」から、

時代ごとに初期色絵、古九谷、古伊万里まで、様々な物を拝見しました。

 

 

時代毎につくりや形、絵付けの特徴が変化していきます。

各時代の物を一度に見て、触れることで、非常に勉強になりました。

毎度のことながら、実際に物に触れることができるのは本当に貴重です。

参加者の皆さんと共に気づいた事を共有出来るのも、学習会の良いところです。

 

 

横山さん、ありがとうございました。

 

今後も学習会は開催しますので、ぜひご参加ください。

 

| 久野民樹 | 報告 | 08:15 | - | - |
もやい工藝2018涼夏の会

開店直後は大変な混雑だったそうですが、昼近くに訪れたころには

ゆっくりと品定めをする方々が思い思いに品物を手に取っていました

 

まさに猛暑日でしたが、風が店内を抜け、

ときおり暖簾が大きく息をするようにふくらみ、ゆれていました。

 

普段見慣れた店内も、夏の暖簾を透かして見るとだいぶ風情が変わって見えます。

麻の暖簾は仕切りつつも柔らかくなった光を通して向こうが見えて粋なもんですね。

普段は並ばない西川さんのガラスも様々に並び、涼夏の会の楽しみの一つです。

 

普段置いてある器は、メインエリアから離れたところに密集して置かれているので、

これらの物をまとめて見られるのも実は楽しみの一つです。

 

今年は冷酒用に一つ買い求めました。

 

 

| 中村裕史 | 報告 | 09:50 | - | - |
倉敷へ行ってきました

豪雨災害から10日ほど経った7/17、倉敷へ行ってきました。

 

本染手織研究所の石上先生、倉敷緞通の瀧山さん、倉敷ガラスの小谷さんとお会いして、

9/7〜9に行われる全国フォーラムの打ち合わせです。

幸い豪雨の影響はわずかであったとのこと。

 

そして、美観地区をはじめとした倉敷駅周辺はほぼ通常通りです。

雨は相当降ったようですが、浸水は免れました。

(それでも川のギリギリまで水が来ていたそうです)

にもかかわらず、美観地区は人がまばらです。


報道等にあるように、倉敷市内には被害が甚大なエリアもありますが、

倉敷の中心部である美観地区周辺は平常通りです。

自粛などは理解できるのですが、観光地を目指される方は

ぜひ普通に行動いただけることを知っていただきたいと思います。

 

改めまして、今回の豪雨で被災された皆様にお見舞い申し上げるとともに、

少しでも早く安心して生活ができることをお祈りします。

| 久野民樹 | 報告 | 20:45 | - | - |
自然と人と共に

6月末、連日晴れ渡る九州の旅をしました。
私の旅は常にその土地を実感したく、できるだけ自分の足で歩くようにしています。
移動中の列車や車でも、車窓からの眺めをよく見ます。

(湯けむりが立ち上る別府のまち)


今回私は、別府から入りいくつかの山と川を越え、小鹿田、小石原へ向かいました。
移動中の車窓からも九州は自然が豊かなことがよくわかりました。


海、山、緑、川、緑、山、川、緑の自然豊かな九州でした。

 

小鹿田では、これまでのブログ報告があったように
昨年の九州北部豪雨時の各窯元さんから様子を伺ったお話は
私の想像のつかなかった程の自然の猛威を感じられました。

そして、土地に対する思いと共に人との大切さをより受け止める事ができました。

 

ある窯元奥様との話の中では、
大雨の災害にあって、さてどうしよう、という時に
小鹿田焼を紹介してくれる担い手の皆さんが居るならば
私たちはここで焼き物作ることが大事なんだ、と感じたんですよ。
持って行ってくれる、待っている人がいるんだから、作らないとね。と。

 

きっとその思いになるまで、複雑な思いもあったでしょう。
しかし私には力強い言葉と受け止めました。


それは小石原でも同様でした。

 

昨今の予想がつかない厳しい自然環境の中で、
暮らしから生まれた自然の仕事を
家族と共に切磋琢磨コツコツ進めている姿に改めて逞しさを感じました。

(仕上げ作業中の坂本拓磨さん)

 

(小石原、太田潤さんのガラス工房にて)

 

帰路は、同行しているそれぞれが車窓をキョロキョロして気になる場所を見つけ
久野さんとよくやっていた手仕事調査的な事もしつつ福岡へ向かいました。

土地、風土、人、暮らし、その地の姿を見て聞いて伝えることも大切、と実感した旅となりました。

 

(茅葺き屋根を葺く職人さんと偶然の出会い)


窯元の皆様、貴重なお時間と機会をありがとうございました。

 

今週の大雨で日本各地での被害がありませんように、
そして日々の暮らしの中から生まれた各地の手仕事が

自然災害で奪われませんように、と心から願うばかりです。

| 川崎正子 | 報告 | 23:38 | - | - |
旅先で出会う手仕事
先日小鹿田と小石原へ同行させていただき、
行く先々でその土地で作られている手仕事が使われているのを目にしました。

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何度も目にし、自分でも普段使っている焼き物や硝子なのに、登場する度に、
わ!いいなと心が小躍りして嬉しくなってしまいます。
そして安心します。

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手仕事はいつも気持ちを新鮮にしてくれます。
ものの与える力は自分が思う以上に人に、暮らしに影響していると感じます。
そしてそれは作っている人の力でもあると感じます。
| 門田真記子 | 報告 | 08:49 | - | - |
三斗五升甕の飛び鉋
「浩二さんが飛び鉋を見せてくださるって!」
採土場からもどった私たちに、うれしい声がかかりました。
しかも何と三斗五升甕、小鹿田ならではの大物です。

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「いっていい?」
といつものチャーミングな笑顔でたずね、
「停まらないからね、ひきはじめたら」
と真顔になるやいなや、
「トーン」、「トーン」と規則的に轆轤を蹴る。
「ウィ〜ン」と鉋をあてる音。
三斗五升甕の飛び鉋がはじまりました。
私たちは息をのんで甕に出現する紋様を見つめています。

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飛び鉋を引いている間、浩二さんの吸う息、吐く息はよく見えません。
視線は一定の距離を保ったまま動かず、ひきはじめたときの表情で、飛び鉋が終わりました。

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「どれくらいのことができたら、こんな大物に挑戦できるようになるんですか?」
と聞くと、
「いや、やりはじめたときから挑戦したほうがいい。僕はこういうことに挑戦するのは若ければ若いほどいいと思っているんです。生活が自分の肩にかかってこないうちに挑戦したほうがいい。昼間仕事をして夜に仕事が終わってから自分の時間のなかで挑戦するのではなく、昼間、人目があるときに挑戦する。失敗して人前で恥をかいたとしても、その緊張感のなかで挑戦することが大事だと思う」と。
小鹿田らしい率直な姿と存在感を見せていただきました。
窯元の皆さま、ありがとうございました。
| 後藤薫 | 報告 | 08:47 | - | - |
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