手仕事フォーラムblog

手仕事フォーラムのメンバーが、日々発見した事や物をお届けします
格子戸一枚に膨大な工夫

先日、我が家の玄関と廊下の間に格子戸の引き戸、リビングと和室の間に板戸をつけていただきました。
手仕事フォーラムの家つくりを何件も携わっている
源野建築設計工房の源野さんに相談しました。

 

築45年の我が家はこれまでリフォームを重ねてつかっていますが、
生活の形態も変わってきており、家の中でストレスになっている場所が多く出てきています。
源野さんに、住まいのストレスを相談すると、一気に解決策を提案下さったので工事をお願いしました。

 

玄関先の引き戸は、飼い猫が出ないような扉が欲しいという要望です。

我が家の前の通りは車が多く通るので、動物が飛び出したら危険ですし、
来客が多いので、猫が苦手な方にも安心です。
都会に人と動物が一緒に暮らす我が家には必要な扉となりました。

 

玄関に不釣合いにならないように、また締め切った感じにならないような格子戸の引き戸を、
また、義母の握力も考え、自動で閉まるドアクローザーをつけてくださいました。


開けておきたい時もあるだろうと、ストッパーの金具も考えてくださいました。
引き込みの所には収納があるのですが、この収納も使えるようにまで鴨居を工夫してくださいました。

 

そして、リビングと和室の間には、閉鎖的にならないような板戸をつけてくださいました。

 

格子戸と板戸は古民家家具を扱っている店から調達しましたが、
サイズは源野さんに確認していただきつつ
この範囲なら、大工さんが直せるので大丈夫だよ、と候補をあげてくださり
我が家のサイズに直せる範囲のものから選びました。

大工の永田さんが源野さんの指示のもと、

事前に我が家のサイズに合わせたり戸車を調節したりしてから、工事当日に持ち込んでくださいました。


それにしても、築年数が経っていると僅かな家のゆがみが、建具を取り付けるとあからさまになりました。
あらゆるところに隙間が出てきます。
左はぴったりだけど右に隙間が、下に合わせると上に隙間が、、という具合です。

 

永田さんは屋外で戸をカンナをかけたりノコで切ったりした後に、家に持ち込んではめ込んで、、
という微調整を何度も根気よく丁寧に、隙間ができないように削り続けてくださいました。

私は、見た事が無い大工道具にどうしても目が行ってしまい、
面白い形のノコギリがあるので聞くと、「自分が使い易い様に形を変えてつかっています。」との事。
小さいカンナは「細かい所を削る時に使います。」と、
あらゆる道具からも丁寧な仕事ぶりが伺えました。

 

格子戸の枠材は、カンナをかけたら良い香りがしてきました。
「ヒノキだよ。いい香りでしょ。」と
合板だらけの我が家が、自然のかおりに包まれました。

 

源野さんは、ドアクローザーの金具カバーが味気ないプラスチックだったので、

あらかじめ漆を塗ってきました。という、源野さんの美の意識が伺えました。

 

源野さんと、永田さんの仕事ぶりを見ていたら、これまでの我が家のリフォームは
「ダメなところを上からただ隠す」
「欲しい所をただ追加する」
というその場しのぎの恥ずかしくなる工事ばかりだったと気付きました。

電化製品は年々増えるが配線が剥き出し、とりあえず使えればいいや、、と乱雑なこと。
「ちょっと一手間考えれば剥き出しなんてないのになぁ。」と源野さんが教えてくれました。

 

「住まいつくり」は、使う人の事、そして心地よく住めることを
じっくり考えてくれる人にお願いしないといけない、と改めて感じました。

 

SILTA22号「手仕事フォーラムの家づくり」を工事前に読み返しました。


座談の中の久野さんの言葉に「心地よい住まい」とあります。
『際立っていいとかではなく、見た時に何かいいなと思うような家、
入ったときの心地よさ、これが住まいの第一条件じゃないかなと僕は思う。』
(SILTA22号抜粋)

 

今回、玄関は格子戸1枚、猫からはじまった小さなリフォームのつもりだったのでしたが
これだけ多くの事を考えてつくってくれて、内容的に濃いリフォームとなりました。
改めて住まいを考えることが、心地よい丁寧な暮らしをも生まれると実感いたしました。
ご尽力くださった事はもちろん、住まいの在り方を教えて下さった事に、改めて感謝しています。

| 川崎正子 | つくる | 10:12 | - | - |
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