手仕事フォーラムblog

手仕事フォーラムのメンバーが、日々発見した事や物をお届けします
小田中さんの実演
「民藝の教科書」シリーズの表紙絵に惹かれ、それをきっかけに手仕事フォーラムや民藝と出会った私にとって型染と小田中耕一さんは特別な存在です。
小田中耕一さんとは制作依頼や打ち合わせで何度かお会いさせていただいており、型染の手順は理解しておりましたが、実際に型を彫るところを拝見したのは初めてでした。
 
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図案をもとに型を彫る

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迷いなく一気に彫り、あっという間に「日本」の文字が浮かび上がりました。
型が落ちないように“つり”というつなぎになる部分を残しています。
 
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掘った型の上に絹で出来た“紗”という網目状の薄い布を乗せて、上からラッカーをシンナーで溶いたものを塗ると、型が紗に定着します。
(古くは漆を用い、現在ではカシューを使うこともある)
 
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 “つり”を切り落とすと型が完成。

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耐水性のある特殊な和紙に型を重ね、ヘラで広げながら糊を置く。
この“糊”は蒸した糯米と米糠に石灰等を入れたもの。
石灰を入れる前の糊は食べられるので、修業時代、糊を作る時に一緒に白玉団子を作って食べていた、というのを芹沢先生は知らない・・・という冗談話も。
食べられる穀物を食べずに染物に使ってしまう染物屋は「穀潰し」と呼ばれることもあると以前小田中さんが冗談ぽく仰っていたのを思い出しました。

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糊を置いたもの。色を付けたい文字以外の所に綺麗に糊が乗っています。

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大胆に色を差して行きます。
本来は顔料を豆汁(ご)で溶いたものを使用するそうですが、豆汁はすぐに腐敗してしまうため、実演では豆汁を使わない墨汁を使用。

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そして水で糊を落とすと、見事に糊を置いていない文字の部分だけが染まりました。
(写真左から2つめ)

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実演中は終始冗談を交えながらの和やかな雰囲気でしたが、眼鏡を外して真剣に型を彫り進める姿とのギャップを感じました。
 
トークイベントでは、ポスタータイプのカレンダーの是非について(12ヵ月分を1枚に並べるのは作り手として本意ではないとのことで)久野恵一さんと夜を徹して議論したエピソードを面白可笑しく話されていましたが、民藝の教科書の言葉を借りると、「どこかひょうひょうと」していながらも仕事に対する強い信念を感じるエピソードです。
優しくも華やかな色使い、愛らしくも上品な図案の小田中さんの作品は、こうした“人の魅力”によって生み出されるのだと感じました。

yamada.jpg姫路 山田宗平
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