手仕事フォーラムblog

手仕事フォーラムのメンバーが、日々発見した事や物をお届けします
中川原さんの実演
2年前に光原社で出会い、一瞬で心奪われたのが中川原さんのあけび蔓の丸かごでした。
持ってみると、手に当たる感触の優しいこと。
迷わず買い求め、その美しいカタチを眺めては作り手にお会いしてみたいと思っていました。

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この度のフォーラムで実演を近くで拝見させていただき、底作りからはじまり、型を使わずに全体を見ながら感覚で編み上げ、形を作っていくその手際に感激しました。

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最も印象深かったのは、材料と継ぎ目の処理でした。
材料となるあけびの蔓は綺麗に節が処理され、引っ掛かりがありません。
また、何本もの蔓を継ぎながら編んでいく中で、時折手で表面を撫でながら、手に当たる部分を丁寧に鋏で切り落としていました。
ものづくりへの姿勢として「良い物を、使う人のことを想って作る」と語る中川原さん。
衣類を入れても引っ掛からず生地を傷めないかごの優しさの秘密は、作り手の心と技術に裏打ちされたものだと知り、感動しました。

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初日に縁巻きが見られなかったので、二日目の午後も岩井沢邸にお邪魔しました。
芯になる太い蔓と、3センチ間隔に1本残しておいた縦の蔓を巻き込みながら、半分に裂いた蔓を八の字に、緩まないように力を込めて巻いていきます。
そうして、ふっくらとして見るからに頑丈そうな縁が出来上がります。
巻きはじめと巻き終わりの重なる部分は、細い蔓を使って重なった部分の段差が目立たないように作るという工夫もあり、工程の一つ一つが最終的な物の形と機能を生む様子を目の当たりにしました。

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中川原さん愛用のかご。40年以上使っておられるということで、さぞ手入れや修理をしながら使い込んできたのだろうと思ったらなんと、一度も巻き直しや修理をしたことがないのだとか。
実際に触らせていただいても、持ち手の緩みは一切なく頑丈そのもの。むしろ艶が出て力強さを増しているように感じました。

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(▲完成品を撮影していなかったので、写真は自宅で使用しているものです)
 
材料の野性的な力強さを持ちながらも、美しい形。そして手に持った時の優しい感触。
出来上がったかごは、その作り手を映しているように感じました。
そして、編組品の技術については既に高い技術を持っていたとされる縄文時代にも、こんな職人がいたのだろうかと、古代人の暮らしぶりを夢想しました。
日本人になじみの深い“小豆”も編組品(縄文ポシェット)と同様、縄文時代の遺跡から発掘されており、最新の研究では縄文人が種を蒔いて栽培していたのではないかという説もあります。
中川原さんの確かな技術と心に触れて、遥か縄文時代から続く人々の生活の知恵を現代につないでいく活動をしていかなくてはならないと決意を新たにしました。

yamada.jpg姫路 山田宗平
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