手仕事フォーラムblog

手仕事フォーラムのメンバーが、日々発見した事や物をお届けします
全国フォーラム 2017 in 岩手 手仕事をつなぐ旅

8月25日(金)、26日(土) の2日間 全国フォーラム2017 in 岩手に仙台から参加しました。
1日目 「日本の手仕事をつなぐ旅」展
仙台から、宮城中部に広がる穀倉地帯を北へ。岩手県盛岡までは40分ほどで到着。

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会場となった、岩井沢邸のある滝沢市は馬産地として古くから知られた場所のひとつ。
移築された古民家は、馬とひとつ屋根の下住まう曲がり屋を改築された家屋で、経年の美しさが際立ち、
手をかけ大切に暮らすことの豊かさを感じます。
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中に入ると、秋田 あけび蔓細工 中川原さんの実演が行われていました。
丸かごの胴は仕上がっており、次は縁巻き。水に浸し、やわらかくなった蔓の先端をはさみで落とし、二つに割く。
口元に添えた両手と、蔓の先端をかんだ歯に、きゅっと力が入り、口元から手が離れていくと、みごとに蔓が割けていく。どれほどの経験を積めばできるのか。長い時間をかけ、体得した感覚は迷うことがなく、小気味のいい仕事ぶりにしばら見入ってしまう。縁巻用の蔓のうち8割は、採取後生のうちに割いておくということだから、高い技術を生で見るいい機会をいただくことができた。「 蔓を無駄にすることはできないです。 自然から頂いたものだから」傍らにあった2冕たない蔓の先にも、材をとる山の自然の恵みに対する感謝の思いが感じられた。

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時間を換え、盛岡南側に位置する 紫波郡 型染の小田中さんの実演。
「忘れ物しちゃって。今日はこの木材をお借りして型紙を切っていきます」建材のような太い木材の上での作業の方が、目が近くなっていいのか?と工房での様子の違いに想像を膨らませていたが、なんともお人柄が見えるような一言。 場も緊張から和やかな雰囲気になり、話は進む。ひっかかりがあるから(刀で)彫る方が楽だという小田中さんは、筆が苦手だとか。自作の刀は、手に収まりよく、型紙の上を自在に動く。
「健やかな日々の営みが 当たり前の日常が、健やかな手しごとのものを生む」以前お伺いした工房での久野恵一さんの言葉は、いまも活きていて、その思いはつくり手を前にしたこの瞬間もつながれている。老舗の染物屋は、地域に根ざし、仕事が日常の延長上にある。

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展示では多数の編組品が。ひとつひとつの豊かな姿。 宮崎杞柳楕円大籠は、いつかは手に入れたいもののひとつ。つやのある茶褐色が美しい。

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大分 小鹿田焼 坂本茂木さんの壺も。

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2日目 学習会 岩手盛岡市 ホームスパン 蟻川工房
工房内の棚に整然と収められた毛糸。横には羊の写真が。育つ環境、食べ物で素材の質に差がでるとのこと。

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蟻川工房では、含みのある糸に仕上げるため、染色後の原毛をブレンドする。毛糸づくりが命なので、集中をきらしたり、手を抜くことはない。奥行きのある色は手紡ぎならでは。工房の伊藤さんのご好意で、コートを羽織らせていただいた。蟻川工房で織り上げられた服地で仕立てられたコートは、軽く柔らかで暖かく、包み込まれるような感覚がある。これなら寒い冬も安心。

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学習会
光原社へ。
光原社及川倭香さんより、創業から代表となったいままで、そして前代表及川隆二さんと久野恵一さんとのつながりについて。倭香さんだから語ることのできる深い内容で、長い時間お話をいただいた。歴史もあり、日本の工芸店のなかでも重要な役割があるという盛岡 光原社。何度となく訪れていたけれど、こんなにも充実した気持ちで時間を過ごすことができたのは、「つなぐ」仕事に挑み続けた久野さんと、つくり手、つなぎ手の強い信頼関係をわずかながらも感じる事ができたからなのかもしれません。

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「今つくられている(手仕事の)ものは、文化の証 長い歴史の中で培われてきたもの。切磋琢磨して残されてきたもの。地域を大切に 」
久野恵一さんの言葉を心に、ものとむきあい、これからも手仕事をつなぐ旅に参加していきたいと思いました。

佐藤佐智子


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追記:チャリティー販売会で蟻川工房のネクタイを求めました。息子のハレの日用です。

| 佐藤佐智子 | 報告 | 11:16 | - | - |
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