手仕事フォーラムblog

手仕事フォーラムのメンバーが、日々発見した事や物をお届けします
熊野“宮地笠”の芝さん
先日の朝、なにげなくテレビをつけると見たことのある顔が・・・はて誰だったか??
画面の端に「“熊野古道の必需品” 宮地笠が消滅の危機」とあり、
笠を編む姿が・・・そうか、宮地笠の芝さんだ!!

IMG_4047.jpg

宮地笠は熊野詣での必需品といわれるヒノキで編んだ笠で、これをつくることができるのは芝さんただ1人。
なんと、御歳97‼︎
芝さんが、今も現役だったとは・・・・・・・・

IMG_4049.jpg
97歳・・・「限界」はどこにあるのでしょう⁉︎

芝安雄さんについては、2009年に大部優美さんが現地調査をし、HP「手仕事調査」に詳しく報告しています。
(テレビは「安男」ですが、「安雄」が正しいと思います)
→ 手仕事調査「宮地笠」
このとき芝さんは88歳。もちろん現役で笠をつくり続けていましたが、
大部さんが注目していたのは、同じヒノキで編まれた「イドコ」というカゴでした。

minatikasa4.jpg
イドコ(大部さんの報告より)

久野恵一さんが秀逸と評したこのカゴは、しかし、この調査の時点で見本として残してある写真ものが1つだけでした。
カゴ用の材料が揃わないということで、「10万円くれると言われても、もう無理や」と、大部さんが報告しています。

それから3年後の2012年。
久野さんと私は近江調査の帰りに足を伸ばし、熊野本宮を目指します。
その途中で芝さんを訪ねます。
じつは、熊野詣での、久野さんの本当の目的はここにありました。

DSCN8694.JPG

宮地笠をはじめさまざまなカゴが並ぶ中で、件の「イドコ」が展示されています。
久野さんは他には目もくれず、饒舌な芝さんの話に耳も貸さず、唯一残る「いどこ」を譲って欲しいと芝さんを説得し続けます。
それはできないと、当時92歳の芝さん・・・・・・・・・・・・さて、

DSCN8689.JPG

この調査から10日後、鎌倉・もやい工藝で学習会が開かれました。
近江や熊野での調査報告がテーマで、近江木綿や近江下田焼き、熊野の桶濱や熊野本宮ガラス、そして宮地笠。
話をする久野さんの手に、あの「イドコ」が・・・最後の1つを、譲ってもらったのです。

2012年の調査の様子は私が書いたブログをご覧ください。 → 手仕事フォーラムブログ「最後のイドコ」


大部さんは9年前に「私たちの財産とも言うべき貴重な手仕事がまた一つ、人知れず消えてゆくことに、途方もない無力感を感じた」と書いています。
久野さんと私も、「イドコ」はもちろん、笠もいつまで続くのかな、と思いながら芝さんのお宅を後にしました。
しかし、芝さんはつくり続けていたのです。
97歳の現役・・・テレビで見たそのお元気な姿に、感動しました。
 
| 大橋正芳 | いろいろ | 17:16 | - | - |
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