手仕事フォーラムblog

手仕事フォーラムのメンバーが、日々発見した事や物をお届けします
伊賀の陶工
伊賀スタディツアーの報告です。

6/3に行平鍋でおなじみの「カネダイ陶器」におじゃましました。
夏を思わせつ空の下、坂道を登ると美しい水田を見下ろすように工房があり、
大矢正人さんとご家族が迎えてくださいました。

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工房の周りの青々とした山には、かつては木目の詰まった赤松があり、登り窯の上質な燃料でしたが、虫害で今はほとんどなくなったそうです。
登り窯を焚かなくなった大きな要因の1つだと、大矢さんが話します。
お話の後、さっそくロクロをひいて見せてくださるということで大矢さんがロクロ前に座ります・・・
ロクロが回り、土を手にした途端うつわの姿を見せはじめ、みるみる広がって形が土鍋の蓋なりました。

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あっという間です。
なんの躊躇もなく手が自然に働いて形ができあがります。同じ形をいくつも素早くつくり出す技。
熟達した技とは、こういうものなのだと感心します。ふと、「機械のような」という形容詞を思い出しました。
なんという言葉でしょう。人は機械ではありませんからね。
しかしこれは褒め言葉でした。“機械のように正確で早い”仕事に敬意を込めて使われました。
この言い方は、単純に規則的同一性とスピードのもたらす生産性に価値があった時代を反映していますが、今は聞かなくなりました。
大矢さんのような名工は、“同じ形をいくつも素早くつくり出す”ことができます。それが無駄のない美しいうつわをつくります。

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工房に積み上げられた型は、手仕事の延長として“機械のような”仕事を支えています。
しかし、人の手から生まれるうつわは、1つとして同じ形をしていません。
そこに人の心に響く“なにか”がある。だから手仕事は美しい・・・​型や機械が生み出すものに囲まれてきた人々が、「機械のような」という形容詞を使わなくなりました。
今後、機械が「人のような」と形容される時代がくる・・・のかな?

穏やかな言葉でご自身の仕事を解説しながらも、正確に、スピーディーに、当たり前にろくろを引く大矢さんの姿を前に、そんなことを考えていました。

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大矢さん、ありがとうございます。



 
| 大橋正芳 | 報告 | 23:03 | - | - |
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