手仕事フォーラムblog

手仕事フォーラムのメンバーが、日々発見した事や物をお届けします
東京都内で開催中の染付に関連する2つの展示

東京都内の二か所で興味深い展覧会が開催されているので行ってきました。

・戸栗美術館『初期伊万里 大陸への憧憬展』

・出光美術館『染付 世界に花咲く青のうつわ』

 

戸栗美術館の『初期伊万里 大陸への憧憬展』は、そのタイトルの通り、

朝鮮半島の技術で制作しながらも文様は中国風の画題が意識されている

初期伊万里の名品が中心に据えられ、そこを軸に視野が広がるように

構成されていました。

「初期伊万里」は伊万里焼の磁器創始期から技術革新がなされるまでの

わずか30年ほどの間(1610年代〜1630年代にかけて)に制作された

染付を中心とした磁器の総称だそうです。

展示パネルの解説によれば、「初期伊万里」の特徴としては、素地の厚み

や器形の歪み、口径の3分の1程の大きさの高台作り、釉薬は青味を帯び

た釉調で、貫入や釉ムラ、時には施釉時の陶工の指跡がのこされることもあり、

発色も彩度が低く落ち着いている、などなど。

確かに絵付けは少々はみ出しても気にしておらず、

こうしたことは17世紀中期の技術革新以降はあまり見られなくなるそうです。

大胆で大らかで伸び伸びとした素朴さが、確かに魅力的だと感じます。

 

もう一つは、出光美術館の『染付 世界に花咲く青のうつわ』。

こちらは、時代も地域も一気に拡大したような企画展示です。

例えば、大皿という器形は、本来は中国の食文化には存在しなかったものが、

西アジアの金属器にみられる車座になって皿を囲む宴会の形式を意識した

器形であるとか。また、景徳鎮、伊万里、セーブルのほぼ同じ壺が並べられていて、

景徳鎮へのあこがれがいかに強かったのかが分かります。

 

どんなものを美しいと思うかは自由だと思いつつも、

数世代に渡る長い時間をかけて形作られてきたものから、

私たちは決して自由ではありえないのだろう、など考えました。

 

思わず図録も買ってしまいました。九州陶磁文化館の図録は、

数年前の手仕事フォーラムin有田の際に買ったものです。

今回、合わせて見なおしてみようと思います。

| 中村裕史 | 報告 | 15:40 | - | - |
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