手仕事フォーラムblog

手仕事フォーラムのメンバーが、日々発見した事や物をお届けします
瀬戸スタディーツアー 瀬戸本業窯にて

手仕事フォーラムに参加し、焼き物、ガラス、編組品の職人技を

何回か間近に見る機会がありました。

共通して言えることは、腕の良い職人は手数が少ないということです。

それは特に数を作らなければならない、いわゆる数モノづくりに顕著です。

一つ一つに時間をかけていられないので、

おのずと躊躇なく淀みのない動きになるのでしょう。

しかし、それは数をこなせば誰にでも出来るという訳ではなさそうです。

 

一つ一つの動作を最小限にして、決め所を逃さずに決めていく。

それは見ていて惚れ惚れするような簡潔で完成された動作です。

結果として、原料をこね回さないからでしょうか、

出来上がった物は伸びやかで健やかです。

角湯呑みなら一日に200個は作っていたという水野雅之さんは、

間違いなく現代を代表する名工の一人でしょう。

今は轆轤仕事の合間合間で粘土を練ったりしますが、

粘土を練る職人がいたころは、

水野さんは延々と轆轤から降ろしてもらえなかったそうです。

 

 鋭い眼光で、キビキビと、しかし柔らかく轆轤をひく水野さん

 

今回、自分が職場で普段使いしているカップを持っていきました。

水野さんはそれを手に取り、

「なかなかここまで綺麗な貫入は珍しい。これは栗灰でやったときですね」

と言っていました。

両の手で包み込むように持つ仕草が、

先ほど見せていただいた轆轤を引く手つきと同じで、

このカップが、この人の手から生み出された物なのだなと、

分かり切ったことながら、妙に納得してしまい、

実にしみじみと感動しました。

毎日、コーヒーを飲んでいるカップ。

| 中村裕史 | 報告 | 19:21 | - | - |
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