手仕事フォーラムblog

手仕事フォーラムのメンバーが、日々発見した事や物をお届けします
「美しきアイヌの手仕事」展
2月中旬、
宮城県美術館で開催中の<美しきアイヌの手仕事−柳宗悦と芹沢げ陲離灰譽ションから−>展
に行ってきました。
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質量ともに素晴らしい展示内容でした。会期もあとわずかですがこれはお勧めです。
見終わった後、いつもは買うか否か逡巡する図録ですが(重いし…)、
今回は躊躇なく購入。
図録に掲載された高精細画像、細部のズームアップなどを見て、
なんでここをもっと良く見てこなかったのかと悔やまれるような、
そんな内容でした。

会場に入ると開催趣旨が日本語、英語、アイヌの言葉で表記されています。
日本列島には独自の言語と文化を育み暮らした多くの民族がいたことが理解できます。

展示は美術館ならでは広々とした展示スペースを二つ使い展開されています。
その広さが普段見慣れている日本民藝館の展示とはまた違った迫力を生み出しています。
これでもか!!と展示されている切伏刺繍衣裳(切伏木綿衣)は一つ一つが大きいため、
広々とした会場でなければ難しいでしょう。

一つ目の部屋は主に日本民芸館所蔵品を展示。
次が静岡市立芹沢げ霹術館の所蔵品を展示しています。
私はそのような構成であることを知りませんでしたので、
一つ目の部屋にかなりの時間を費やしてしまい(充実していたこともあり)、
芹沢の蒐集品を十分に見る時間がなく、かなり残念な思いで帰路につきました。
芹沢の展示は学芸員の白鳥誠一郎氏によるものでしょうか。
天井が高く広々としたスペースをフル活用して切伏木綿衣を三段に並べて、
覆いかぶさってくるような迫力の空間演出で、
民藝の展示としてはかなり画期的なんじゃないでしょうか。

さて、今回の展示では1941年(昭和16)に日本民藝館で開催された<アイヌ工藝文化展>
の一部が再現されていて、そこだけ撮影OK。
<アイヌ工藝文化展>はアイヌコレクションで圧倒的な数と質を誇った
杉山寿栄男の蒐集品を、柳から任された芹沢が厳選して展示を担当したものです。
芹沢にとって杉山は東京高等工業学校工業図案科の先輩にあたり、
柳は芹沢を介して杉山と知り合ったとのこと。
その後、杉山コレクションは1945年の空襲で焼失し、今となっては『アイヌ藝術』(全3冊、1941)や
雑誌『工藝』106号、107号などからその品々を知ることが出来るのみです。
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再現された<アイヌ工藝文化展>
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木綿紺地切伏刺繍衣裳
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オヒョウ地切伏刺繍衣裳
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さて、図録も大きく二部構成となっており、
前半は主に日本民藝館の杉山氏が担当、後半は芹沢げ霹術館の白鳥氏が担当。
その他、豪華執筆陣のコラム多数。
白鳥氏は「いったん、『人間国宝の染色家』あるいは『民藝派の工藝家』というフィルターを外して、
芹沢という人を改めて見つめなおす必要があるように感じる。」としたうえで、
「画家」、「デザイナー」、「染色家」、「蒐集家」という4つの側面について
それぞれ興味深い解説をしています。
しかして結論としては、「芹沢という人は知れば知るほど、結局何と表現したらいいか
わからなくなるばかりだが、あえて例えるなら「富士」に最もよく例えられると思っている。」
と結んでいます。
この引用だけでは意味不明だと思いますが、興味深いでしょう?
内容が気になる方は是非図録を読んでください。

さて、かなり疲れて帰りがけに美術館のカフェを覗いたところお客さんが大勢入っており、
美術館のカフェなんてどうせたしたことないだろうと思っていましたが、
みなさんが食べているものが何だかとても美味しそうで、
ついつい私も入ってしまった。
ここのランチメニューは(も)かなりお勧めです。
宮城県美術館を訪れた際には絶対に外せないと思います。
店の人と話したところ仙台市内に数店舗あるそうで、人気店のようです。
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少し食べて、かなりの美味しさに食べかけながら撮った一枚

(H・N)
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