手仕事フォーラムblog

手仕事フォーラムのメンバーが、日々発見した事や物をお届けします
小代焼の「藁焼き」

先日九州を巡った折、小代焼ふもと窯を訪ねると

ちょうど藁焼きの最中。

コロナウィルス騒ぎで、会合がキャンセルになったという

井上泰秋さんも自ら出て、皆さんで藁焼をしていました。

伝統的な小代焼で用いられる打掛けといった技法は

藁を燃やした灰をベースに作られる、藁白釉(わらじろゆう)が使われます。

この釉薬と、鉄分を多く含んだ地元の土、登り窯による焼成など

様々な要素が複雑に絡み合い生まれる、小代焼の魅力です。

 

藁焼は1年に1回の作業で、1年分の釉薬に用いる藁を焼くとのこと。

藁は無農薬で作られる物を用いているそうです。

あえて無農薬なのは、釉薬の発色を考慮して。

藁の束は一旦ほぐします。火の通りを良くする為。

藁を焼く場所にはレンガが敷かれており、その上に藁を丁寧に並べていきます。

均一に藁を焼くために必要です。

藁に火をつける。

灰になった藁を取り込みます。

燃やしきると白い灰になりますが、そうなる前に水をかけてしまいます。

これも釉薬の発色を良くするための工夫です。

こういった作業を1週間続けるそうです。


現代では、稲刈りはコンバインを用いるので、藁を確保するのは困難ですが、

熊本の牧場で餌として用いられる藁から、分けてもらっているとのこと。

灰は焼き物作りに欠かせない材料の一つです。

しかし、農業の変化から、藁を確保することも困難な時代になりました。

特に小代焼では藁灰を大量に用います。

外から購入するのも、求める品質の物を手に入れるのも難しいとのこと。

 

良いものを作るには良い材料も必要。

その為に自分たちで良質な材料を探し出す。

良質な仕事は、こういった地道な努力と作業の上に成り立つということを改めて実感し、

窯の皆さんの真摯な姿勢に、改めて身が引き締まる思いでした。

 

久野民樹

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